私は初老男である。
すっかり、春の装いが整っているが桜は咲いていない。
あくまで我が地域での話だ。
昔はゴールデンウィークでなければ、桜は咲かなかったのだが今は大体今頃に咲き始める。
そして、この桜と共にツバメが我が家の車庫にもやってくる。
車庫兼作業所の梁に、田んぼの畔の土と藁などを咥えて来ては貼り付けていく。
ざっと数えて五つの巣がある。
それらは何年もかけて作られたものだ。
何年前からなのかわからないが・・・・・。
ツバメが巣を作るのがヘタになった。
ツバメの巣は、実は毎年「メンテナンス作業」をすることでリフォームして使っていることが少なくない。
ある程度の水分を含んでいないと乾きすぎて落ちてしまう。
ところが毎年来るはずのツバメは「見極める目」が劣化している。
どの巣をリフォームするかという目がない。
更に新規で作ろうとする気力もない。
今は私の車の上の古い巣に申し訳程度のリフォームをして仲良くつがいで寄り添っている。
・・・・しかし、その巣はリフォームの体を成していない。
あんなところに卵を産んでも・・・・・落ちてしまうのは間違いない。
本人たちは満足なのだろうけれど・・・・・。
あのツバメは「私たち」なのだろうか・・・・・・。
今回も最後までお付き合いいただきありがとう。これを読んでいる皆さんも、劣化の進んだ自分を自覚しますように。
May
昔は見られなかった、スズメによるツバメの巣の「強奪」ってのも多くなった。変な感じである。