完全無欠な「もうすぐ前期高齢男」日記

「もうすぐ前期高齢男」に進級「老いの自覚」を中心にUpしていきます。

仕方のないことだろう・・・。      ~ゴルゴ13における時代変化~

2016年03月20日 | 
私は初老男である。


すっかり雪が消えて、豪雪地帯の我が地域では一か月ほど季節を先取りしている感がある。


この春からはある事情で、気持ちがあまり落ち込まなくてすみそうだ。



今私の手元に2冊のゴルゴ13がある。


2冊は最近コンビニで買ったものだ。


「ゴルゴ13別冊No.191(巨人共のシナリオ,もうひとりのプロフェッショナル,ミクロの油田)」



「ゴルゴ13ENCORE VOL.17(フルマーク,雪上の悪魔他4篇)」



いずれも、大変面白く読めたのだが、この2冊にはずいぶん差があるように思える。


アンコールの方は、とても印象深く、タイトルを聞いただけで内容が思い出せるが、最新刊の方は、面白かったが印象に残りにくい。



おもえば、私がゴルゴを初めて読んだのは小学生の時だった。


内容が理解できたわけではないが「砂漠に裸の女性が悶えながら死んでいくシーン」が、強烈に印象に残っている。



あれから40年余り。



ここ数年のこのシリーズも、もちろん欠かしたことはないし面白く読んでいる。


基本的に40年の間に起きた政治・経済・スポーツ関係のエピソードをネタにしたものが、燦然と盛り込まれたゴルゴである。


しかし、あまりに世界の状況が複雑になりすぎ、個人レベルであっても「パソコン」「スマホ」などを持っているのが当たり前になりつつある。


こうした状態は、昔の名言が証明しつつある。


そう「事実は、小説より奇なり」だ。


そうした中で、ゴルゴが以前のような印象深いエピソードを残すことは、難しくなってきているのではないだろうか。



数あるゴルゴの中で、内容までキッチリ覚えている射撃は多いが、私の「ベスト3」を選ぶとするならば。




   「すべて人民のもの」   「2万5千年の荒野」   「雪上の悪魔」




あくまでも、わたしの感覚であり、内容的に素晴らしいものはほかにもたくさんある。



「すべて人民のもの」は、数あるゴルゴの出生の秘密に関するエピソード。ゴルゴの兄弟と思われる人物・母親と思われる人物の描写が印象的。


「2万5千年の荒野」は、3.11を経験した日本人には、身に詰ませれる内容。初めて読んだときは、いつかこのような事態が起きるのでは?と不安になったものだ。(ちなみに1984年7月発表)


「雪上の悪魔」は、2冊目のアンコール17にも収録されているが、短編ながら非常に印象深い内容。いつも言葉少なのゴルゴだが、セリフは一言もない。



ゴルゴ13は、完全分業制で「映画製作」に近い形で作られていることが特徴だが、つまり脚本が様々な形で持ち込まれ劇画化される。


そうして意味でも「脚本」の部分に40年間の変化である「あふれる情報」などが、ゴルゴから「印象深いエピソード」を奪い去ってしまっている。


さらに、さいとうたかを氏も当年80歳にならんとしている中で、ゴルゴ13の終わりも近いのだろうか…?


今回も最後までお付き合いいただきありがとう。これを読んでいる皆さんも、劇的に変化する現在をしぶとく生き抜いていけますように。



               May



「小学生」が「初老」になるまで続いている漫画があるというだけで「偉大」なんだけれどね。

















コメント
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