私は初老男である。
気がつけば今年もあと2週間である。
歳を取ると、本当に一年が短い。
年に1度しかやらないことと言うものが、誰しろあると思うのだが・・・・。
私にとってのそれの象徴的なのが
「年取り魚の捌き」
である。
わが地方では新年を迎えるにあたり、俗にいう「新巻き鮭」を食べる。
大みそかに、大振りに切った鮭を焼いて食べ、新年には角切りの鮭と大根を中心にした具の多い雑煮を食べる。
そのために、体長70cmを超える大きさの鮭を毎年年末には捌くことになる。
毎年「お歳暮」と言う形で上質の鮭をいただけるのがありがたい。
最近は主婦の方で魚を捌ける人は、かなり少数と思われる。
逆に「料理男子」などと言われて、料理得意な若い男性も増えているらしい。
この年取り魚は昔からその家の主人が捌くことになっているが、そんな意味では今どきの家の主人が一番そうしたことに疎い状況にありつつある。
もうだいぶ前に記しておいただけなので、知らない人も多いかもしれないが、私は調理人なのである。
ゆえに魚をさばくのは、一般人ほど抵抗はない。
というより、それを楽しみにしている部分がある。
と言うことで、まずやらねばならないことは・・・。
「包丁を研ぐ」ことだ。
実は、魚をさばく直前に包丁を研ぐのはあまり良いことではない。
研いだばかりの包丁に「金気」が残るからだ。
まあ、家庭で食べるのだし少々のことは勘弁してもらおう。
包丁の話がでると、ついつい言いたいことが増える。
通常魚をさばくには「出刃」を使うと思っている人がほとんどであろうが、鮭は特別な魚で出刃ではさばきにくい。
皮が異常にヌメるし、身が割れやすい。
そのため「鮭切包丁」と言う専門の包丁がある。
昔はそれを買おうと思って、一年伸ばしにしているうちに・・・モッタイナイような気がしてきてしまい・・・。
まあ、安いものでも20,000円位するからねぇ。
と言うことで、今は刃の薄い「身卸し包丁」を使っている。(これも一般人は知らないよね)
まずは「頭」を落とす。
エラのすぐ下でヒレにかけての所を斜めに両側から包丁を入れる。
鮭の特徴でもある「骨の硬さ」を考慮に入れて、中骨を切るときは包丁の刃元を使って押し切る。
この頭も実は地元の郷土料理の素材になるのだが、我が家ではそこまでの事はやらない。
・・・実は、この時とっておきの吟醸酒を「ぬる燗」で飲っていたのだ。
そして、その「つまみ」が欲しかった。
鮭を卸すと、普通には食卓に上らない部分がある。
もう、お気づきでしょう?
俗にいう「ハラス」とか、骨の周り(マグロで言う中落ち、鮭の場合鋤きとらず骨ごと焼く)をつまみにしたかったのだ。
これも「年の瀬の一大仕事」(程のものではないか)をやる人間へのゴホウビと言うことで・・・。
さすがにお歳暮にもらった上等の鮭のハラスは「絶品」である。
骨の周りは、なかなか焼けないのである。
焼けたかどうかは・・・。
身が骨からホロホロと取れるようになるからすぐわかる。
これもまた「絶品」
この鮭の味こそが「年末」なのだな。
今回も最後までお付き合いいただきありがとう。これを呼んでいる皆さんも、残り少なくなった年末を大切にしますように。
May
ホントに鮭ってのにも、ピンからキリまであるからね。美味しい鮭はまさに「感動」するから。
気がつけば今年もあと2週間である。
歳を取ると、本当に一年が短い。
年に1度しかやらないことと言うものが、誰しろあると思うのだが・・・・。
私にとってのそれの象徴的なのが
「年取り魚の捌き」
である。
わが地方では新年を迎えるにあたり、俗にいう「新巻き鮭」を食べる。
大みそかに、大振りに切った鮭を焼いて食べ、新年には角切りの鮭と大根を中心にした具の多い雑煮を食べる。
そのために、体長70cmを超える大きさの鮭を毎年年末には捌くことになる。
毎年「お歳暮」と言う形で上質の鮭をいただけるのがありがたい。
最近は主婦の方で魚を捌ける人は、かなり少数と思われる。
逆に「料理男子」などと言われて、料理得意な若い男性も増えているらしい。
この年取り魚は昔からその家の主人が捌くことになっているが、そんな意味では今どきの家の主人が一番そうしたことに疎い状況にありつつある。
もうだいぶ前に記しておいただけなので、知らない人も多いかもしれないが、私は調理人なのである。
ゆえに魚をさばくのは、一般人ほど抵抗はない。
というより、それを楽しみにしている部分がある。
と言うことで、まずやらねばならないことは・・・。
「包丁を研ぐ」ことだ。
実は、魚をさばく直前に包丁を研ぐのはあまり良いことではない。
研いだばかりの包丁に「金気」が残るからだ。
まあ、家庭で食べるのだし少々のことは勘弁してもらおう。
包丁の話がでると、ついつい言いたいことが増える。
通常魚をさばくには「出刃」を使うと思っている人がほとんどであろうが、鮭は特別な魚で出刃ではさばきにくい。
皮が異常にヌメるし、身が割れやすい。
そのため「鮭切包丁」と言う専門の包丁がある。
昔はそれを買おうと思って、一年伸ばしにしているうちに・・・モッタイナイような気がしてきてしまい・・・。
まあ、安いものでも20,000円位するからねぇ。
と言うことで、今は刃の薄い「身卸し包丁」を使っている。(これも一般人は知らないよね)
まずは「頭」を落とす。
エラのすぐ下でヒレにかけての所を斜めに両側から包丁を入れる。
鮭の特徴でもある「骨の硬さ」を考慮に入れて、中骨を切るときは包丁の刃元を使って押し切る。
この頭も実は地元の郷土料理の素材になるのだが、我が家ではそこまでの事はやらない。
・・・実は、この時とっておきの吟醸酒を「ぬる燗」で飲っていたのだ。
そして、その「つまみ」が欲しかった。
鮭を卸すと、普通には食卓に上らない部分がある。
もう、お気づきでしょう?
俗にいう「ハラス」とか、骨の周り(マグロで言う中落ち、鮭の場合鋤きとらず骨ごと焼く)をつまみにしたかったのだ。
これも「年の瀬の一大仕事」(程のものではないか)をやる人間へのゴホウビと言うことで・・・。
さすがにお歳暮にもらった上等の鮭のハラスは「絶品」である。
骨の周りは、なかなか焼けないのである。
焼けたかどうかは・・・。
身が骨からホロホロと取れるようになるからすぐわかる。
これもまた「絶品」
この鮭の味こそが「年末」なのだな。
今回も最後までお付き合いいただきありがとう。これを呼んでいる皆さんも、残り少なくなった年末を大切にしますように。
May
ホントに鮭ってのにも、ピンからキリまであるからね。美味しい鮭はまさに「感動」するから。