完全無欠な「もうすぐ前期高齢男」日記

「もうすぐ前期高齢男」に進級「老いの自覚」を中心にUpしていきます。

「落語」って面白くない?  ~古典芸能になってしまった・・・~

2007年06月21日 | Weblog
私は中年である。

・・・日本も中国も業者の「食品の安全意識」が、メチャクチャになってるね。

中国は「賞味期限2年前のちまき」日本は「牛肉と偽った賞味期限切れの豚肉」。

中国のことを「コキ下ろそう」と思ったけど、これでは五十歩百歩だ。
考え方においては、どちらかといえば日本の方が「ヒドイ」気がする。

なぜなら、一般市民の「衛生」に対する感覚が高い日本でおきた事件の方が
衝撃が大きいからだ。

「衛生」意識も「お金に対する」意識も、国を問わず「個人的な差」が大きい物だから
こんな非常識な事件が後を絶たない。

しかし、食品加工卸会社ミートホープの田中稔社長ってのはひどいね。
この事件は「詐欺罪」が適用されて当然って気がする。「食肉業者の良心」どころか
「人間としての良心」も摩滅しちゃってるよ。

非常に腹立たしくも悲しく思っている「中年」である。


さて、先回も「落語」のことをUpするつもりだったが途中で話がそれてしまった。
気を取り直してその話をしようと思う。

最近、落語に関する本を読んだ。

 桂米朝著「私と落語」と古谷徹作「寄席芸人伝」(全6巻)である。

桂米朝は、すでに「人間国宝」になっているので知っていると思うが、上方落語を
どん底から復興せしめた功労者の一人である。

その落語に対する姿勢は「鬼気迫る」物がある。

彼の著書は少なくないが、この本は若年層(中高校生)向きに書かれているが、
落語初心者にも充分面白く読める。

私が落語に本当に興味を持ち始めたのは「桂枝雀」という落語家を知ってからだ。
すでに鬼籍に入ってしまっているが、覚えている人も多いだろう。

歌舞伎座1500席を満員に出来た数少ない落語家の一人だ。
詳しくは下記ページへ

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%A1%82%E6%9E%9D%E9%9B%80_(2%E4%BB%A3%E7%9B%AE)

その枝雀の師匠が「桂米朝」である。

そして、何より驚いたのは師弟でありながら、芸風が「まるで違う」ことだ。

師匠の米朝は、まるで江戸時代から抜け出てきたかのような「香り」をもった
芸風なのに、枝雀は「爆笑王」の名を欲しいままにするほど「笑い」にこだわった。

一時期、枝雀ばかりを聞いて「落語はかくあるべき」と考えていたのだが、
それを変えたのは、もっと昔に買っておいた三遊亭円生の「一人酒盛・死神」の
カセットテープだった。

同じ「一人酒盛り」を枝雀と聞き比べてみた。

「落語」の奥深さを感じたのはこのときだったと思う。

「笑い」を重視すれば枝雀の「一人酒盛り」は面白いのだろう。しかし、そのに
そこはかとない「なつかしさ」と「芸の素晴らしさ」では、円生に遠く及ばない。

古典落語というのは、すべてがそうである。同じ内容の同じ結末のものを
その落語家個人のセンスや、企画力・頭脳の全てを使って語ることになる。

これは、何度かこのブログでも書いているが「素材」をいかにを仕事にしている
私の仕事「調理」に似ている部分があると思っている。

「新しい笑い」もいいだろう。しかし、「同じ素材」をあらん限りに笑いに
持っていく落語を楽しむ機会を皆さんも持って欲しいものだ。

今回も最後までお付き合いいただきありがとう。
これを読んだみんなが「古典落語」を身近に置き、心豊かな人生が送れます
ように。
                          
                           may

活字が苦手な方は「寄席芸人伝」がお奨め。結構、芸人の芯が伝わって来るよ。

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