完全無欠な「もうすぐ前期高齢男」日記

「もうすぐ前期高齢男」に進級「老いの自覚」を中心にUpしていきます。

宮本輝著「優駿」読み終わりました。  ~エッ20年以上も前?~

2007年05月26日 | 
私は中年である。

さて、参議院選挙まで2ヶ月となったが、このまま選挙戦に突入するのであろうか?

このままでは、またあまり「争点」のない選挙戦になりそうだ。

「憲法改正」や「年金5000万件行き先不明」「教育問題」なんて、本当はス~~ゴク
大事な事なんだけど、決定的な「論議」を呼びそうに無いもんね。

そうした意味で、かなり状況は違うにしてもコイズミさんの「衆議院解散」での
「郵政民営化」を前面にだした選挙戦は「うまかったなぁ~~」と感心する。

コイズミさんは政治家としては結果的にいえば「大した人」だったのだろう。
しかし、頭の良いタイプの政治家ではなく「運」が良いタイプの政治家だ。

まあ、国民があまり利口でなく、彼のパフォーマンスによって「本質」を
見ることができずに投票しちゃったの感はあるけどね。

あとに2ヶ月の間に「政治的事件」が何か起こるんじゃないかなぁ・・・。

正確に言えば「誰か」が「なにか」を起こすんじゃないかと思うんだけど。

そうしなければまた「利口でない国民」は、こんなヒドイ政治をしている
「自民党」なんかを勝せちゃうよ~~~。

それだけはやめて欲しい「中年」である。


さて、先回Upし損ねたネタを披露しようと思う。

         宮本輝著 「優 駿」 

                     読み終わりました。

ちょうど今日3歳馬の日本一を決める「日本ダービー」が行われてただ一頭の
牝馬「ウォッカ」が牝馬としては64年ぶりに優勝した。

競馬は時に劇的で、数十年に一度「社会現象」になるサラブレットが登場する。

「ディープインパクト」「トウカイテーオー」「オグリキャップ」等々
馬券を買ったことが無い人でも名前を知っている馬が・・・。(若い人は
後の2頭は知らないか?)

そこに「ギャンブル」を超えた「血脈の奇跡」が、人々を感動に与える。

今回の「ウォッカ」はそこまでの馬ではないかもしれないけれど「快挙」で
あることは間違いない。


宮本輝氏は、私の目からは関西人の持っている「もう一つの一面」を感じる
人物だ。

「青が散る」の時もそんな話をしたが、私にとっての関西人のイメージは
「お笑いの本場」で大笑いしているオバちゃんであり、「カネカネカネ~!」と
絶叫している庶民達って感じだ。(関西の人達、気分を害さないで頂きたい)

そうした中で、宮本氏の作品はほとんどが「関西」が舞台となり、話す文体も
「関西弁」が自然に出てくる。

その中に私の持っていたイメージの人たちやシーンではなく、そうした面の
裏側に「物悲しい憂い」みたいなものを感じさせるのだ。

そして「優駿」の話。

普通はどんな小説も「主役」がいて「脇役」が居る。「メインストーリー」があり、
「サイドストーリー」がある。

しかし、この小説はその「主」と「脇」がほとんど「無い」といってよい。

すべて「主」になっているのだ。

物語は主人公(っていえるのかなぁ?)3歳馬の「オラシオン」という名の
サラブレッドなのだが、その馬の生まれた牧場「トカイファーム」の話。
馬主となった和具(ワグ)家の親娘、そして異母姉弟。
馬の調教師とジョッキー「奈良」の葛藤。

この3方向からの物語が見事に独立した小説になっている。

そうした意味では3冊の本になってもおかしくなかったはずだ。

前にどこかのUpで書いた気がするが、この小説は映画化されたのだが、
これほど完成度の高い話を映画にするのは無理がある。

細かいデティールに伏線がいくつもあり、それらを映像として理解させるには
2時間あまりの映画では絶対に無理だ。

それにつけてもこの本が昭和57年から61年にかけて連載されたことを
考えれば26年も前の小説だということに「驚愕」する。(!)

携帯電話はおろか、FAX・パソコンだって珍しい時代だ。
しかし、良い本は「時代」を超えている。一読をお奨めする。

今回も最後までお付き合いいただきありがとう。
これを読んだみんなが良い本に出会い、感動を手に入れますように。

                              may

ちなみにその時の映画のキャストを列記しておく。
渡海親子(牧場主親子)緒方拳・直人親子
和具平八郎・久美子(馬主)仲代達也・斉藤由貴、平八郎の秘書・多田
石橋凌。緒方直人はこれがデビューだったような気が・・・。


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする