私は中年である。
唐突だが「われは海の子」と言う歌をみんなは知っているだろうか。
「当たり前じゃないか!」と怒られそうだが、それでは「われは海の子」が
何番まであるか知っている?「3番」なんていうと私は許さないよ。
知っている人も、その歌詞の意味を本当に知っている?
1番に出てくる「とまや」ってなんだか知ってる?(しばらく前まで私は
「蕎麦や」だと思ってた)
2番に出てくる「浴み(ゆあみ)」って何だが知ってる?
3番に出てくる「いみじき楽」って何だが知ってる?
全ての答えは最後に用意します。
さて、我ながら古い本ばかり読んでいるなぁとあきれるのだが
宮本輝著「青が散る」
読み終わりました。
この本は昭和53年(1978年)から4年に渡って「別冊文藝春秋」に連載された。
そして昭和58年(1983年)にTBSでドラマ化されたので、覚えている人も
いるだろう。
宮本輝は不思議な作家だ。彼は「芥川賞」(純文学)と「直木賞」(大衆文学)の
ちょうど中間に位置する作風を持っている。
純文学として発表した『泥の河』『螢川』『道頓堀川』の川三部作は、その関西を
舞台とした見事な小説だ。
大衆文学として発表した中では、この「青が散る」と「優駿」がベストだろう。
私のような「佐渡を含む日本海側の地域」に住む者にとっては、関西・大阪圏は
「独特の明るさ」の爆発している所というイメージが強い。
しかし、彼の小説群には、そうしたところにも「人間の奥底にある深い悲しみ」が
潜んでいることをそこはかとなく感じさせてくれる。(純文学・大衆文学共にだ)
「青が散る」はTBSでドラマ化されたときは、視聴率の低さで最初の計画から
7~8回削られてしまったが、このドラマがデビューの石黒賢・二谷友里恵を
中心に佐藤浩市・川上麻衣子らを共演させてうまく作られていた。
(劇中歌の「人の駱駝」も結構ヒットしたような覚えがある)
・・・しかし、「良く出来ていたドラマ」だったが原作の「素晴らしさ」を
完全に伝えてはいなかったと思う。
ドラマ「青が散る」は原作の舞台の「大阪」を「東京」に置き換えてしまったことで
そのベースとなる部分を半分以上失って、安斉克巳(登場人物・かなり重要な役)の
病気をテレビ向けに変えてしまったことで、残りの半分の半分を失ってしまった。
この人の作品は、小説としての完成度が高い分「映像化」するのに苦労する。
(仲代達也・斉藤由貴・緒方直人・拳親子の出演で映画化された「優駿」も
同じことが言える)
今と違って「携帯電話」も「パソコン」も出てこないが登場人物の大学生
「椎名燎平」や「佐野夏子」「金子慎一」「星野裕子」たちは生き生きと「本」の
中で輝いている。
ドラマ「青が散る」は再放送を繰り返すたびに視聴率を上げていったと言うが、
もし、ドラマしか見ていない人がいたら言いたい。
「是非、原作を読んでみなさい」
と。
そうした意味でも、宮本氏は「文章の持っている本当の力」を感じさせてくれる
作家だと言えるだろう。
・・・といいながら最近の彼の本を読んでないなぁ・・・。
今回も最後までお付き合いいただきありがとう。
これを読んだみんなが「本当の文章の力」を感じ取れるようになりますように。
と言うことでマクラの答え合わせです。
「われは海の子」は・・・実は「7番」まであるのです。
1番の「とまや」は「粗末な家・質素な家」くらいの意味でしょうか。
2番の「浴み」(ゆあみ)は「湯浴み」つまり「風呂(産湯)」のこと。
3番の「いみじき楽」は「気持ちの良い・心地よい音楽」と言う意味です。
歌の本当の意味については、今度じっくりUpしたいなぁ。 may
唐突だが「われは海の子」と言う歌をみんなは知っているだろうか。
「当たり前じゃないか!」と怒られそうだが、それでは「われは海の子」が
何番まであるか知っている?「3番」なんていうと私は許さないよ。
知っている人も、その歌詞の意味を本当に知っている?
1番に出てくる「とまや」ってなんだか知ってる?(しばらく前まで私は
「蕎麦や」だと思ってた)
2番に出てくる「浴み(ゆあみ)」って何だが知ってる?
3番に出てくる「いみじき楽」って何だが知ってる?
全ての答えは最後に用意します。
さて、我ながら古い本ばかり読んでいるなぁとあきれるのだが
宮本輝著「青が散る」
読み終わりました。
この本は昭和53年(1978年)から4年に渡って「別冊文藝春秋」に連載された。
そして昭和58年(1983年)にTBSでドラマ化されたので、覚えている人も
いるだろう。
宮本輝は不思議な作家だ。彼は「芥川賞」(純文学)と「直木賞」(大衆文学)の
ちょうど中間に位置する作風を持っている。
純文学として発表した『泥の河』『螢川』『道頓堀川』の川三部作は、その関西を
舞台とした見事な小説だ。
大衆文学として発表した中では、この「青が散る」と「優駿」がベストだろう。
私のような「佐渡を含む日本海側の地域」に住む者にとっては、関西・大阪圏は
「独特の明るさ」の爆発している所というイメージが強い。
しかし、彼の小説群には、そうしたところにも「人間の奥底にある深い悲しみ」が
潜んでいることをそこはかとなく感じさせてくれる。(純文学・大衆文学共にだ)
「青が散る」はTBSでドラマ化されたときは、視聴率の低さで最初の計画から
7~8回削られてしまったが、このドラマがデビューの石黒賢・二谷友里恵を
中心に佐藤浩市・川上麻衣子らを共演させてうまく作られていた。
(劇中歌の「人の駱駝」も結構ヒットしたような覚えがある)
・・・しかし、「良く出来ていたドラマ」だったが原作の「素晴らしさ」を
完全に伝えてはいなかったと思う。
ドラマ「青が散る」は原作の舞台の「大阪」を「東京」に置き換えてしまったことで
そのベースとなる部分を半分以上失って、安斉克巳(登場人物・かなり重要な役)の
病気をテレビ向けに変えてしまったことで、残りの半分の半分を失ってしまった。
この人の作品は、小説としての完成度が高い分「映像化」するのに苦労する。
(仲代達也・斉藤由貴・緒方直人・拳親子の出演で映画化された「優駿」も
同じことが言える)
今と違って「携帯電話」も「パソコン」も出てこないが登場人物の大学生
「椎名燎平」や「佐野夏子」「金子慎一」「星野裕子」たちは生き生きと「本」の
中で輝いている。
ドラマ「青が散る」は再放送を繰り返すたびに視聴率を上げていったと言うが、
もし、ドラマしか見ていない人がいたら言いたい。
「是非、原作を読んでみなさい」
と。
そうした意味でも、宮本氏は「文章の持っている本当の力」を感じさせてくれる
作家だと言えるだろう。
・・・といいながら最近の彼の本を読んでないなぁ・・・。
今回も最後までお付き合いいただきありがとう。
これを読んだみんなが「本当の文章の力」を感じ取れるようになりますように。
と言うことでマクラの答え合わせです。
「われは海の子」は・・・実は「7番」まであるのです。
1番の「とまや」は「粗末な家・質素な家」くらいの意味でしょうか。
2番の「浴み」(ゆあみ)は「湯浴み」つまり「風呂(産湯)」のこと。
3番の「いみじき楽」は「気持ちの良い・心地よい音楽」と言う意味です。
歌の本当の意味については、今度じっくりUpしたいなぁ。 may