完全無欠な「もうすぐ前期高齢男」日記

「もうすぐ前期高齢男」に進級「老いの自覚」を中心にUpしていきます。

いまさら松田優作考

2006年07月22日 | 
私は中年である。
パソコンは壊れるわ、雨は降るわ、
さまざま雑務に追われるわで、調子が悪い
「中年」である。

さてそうした中でも、実はUpしたいことが山ほど
あったのだ。

「東京タワー」を書いたリリー・フランキーが某国営放送の
番組で松田優作について話していた。それに触発されて
われわれ中年男の憧れの男「松田優作」のことについて、
今回は考えてみたいと思う。

「松田優作」という名を聞いて心躍らぬ中年男は居るまい。
我々よりも一世代前の男たちには、裕ちゃんこと、
「石原裕次郎」がいたように、われわれには彼がいた。

中年男の青春時代に鮮烈なイメージを残したまま夭逝した
ヒーロー「松田優作」の歴代の映画を三本続けて見ることが
出来た。(もっとも、レンタルビデオだけど・・・)

まずは「もっとも危険な遊戯」
これは実は今回初めて見た。
さすがに彼も若い!非常に青臭い部分を感じる。
若い体力にまかせて演技も荒い。しかし、そこに
我々があこがれた松田優作の原点が垣間見えた。

(しかし、この映画はストーリーもひどいし、
 主演女優の演技が幼稚で見るに耐えない)

そして、「蘇える金狼」
この映画は何度も見たが、かなり強引なストーリー展開で
「そんなわけないジャン!」と思わされた部分も多いのだが
「もっとも危険な遊戯」に比べると格段に内容が濃く、
雰囲気もハードボイルド感が非常にたかまっている。

松田優作自身の「狂気性」が後半に色濃く出てきて
「もっとも~」の主人公「鳴海」がただのチンピラに
見えてくる。
(この狂気性が「野獣死すべし」の伊達につながっていく)

この映画の主演女優が風吹ジュンなのだが、今の彼女からは
想像できないほどエロティックで女優いや、女の「怖さ」を
十分に感じさせてくれる。テーマ曲も非常に良い。

そして、「野獣死すべし」
私はこの映画を松田優作の日本における「金字塔」だと
思っている。

ストーリーには、実は矛盾した点やオカシイいところが
多々見えるのであるが、圧倒的な「伊達」(松田)の
存在感にそうしたディティールは意味が無くなっている。
松田優作のたどり着いたアクション映画の頂点といえる。

共演者も、鹿賀丈史・室田 日出男・阿藤海・小林麻美
そのすべてのシーンが前作・前々作がウソの様な緊張感が
満ちている。

室田 日出男との列車でのシーン・小林麻美とのシーン
そして、ラストシーン。非常に印象深い。
(実は、泉谷しげるがワンシーンだけ出ているのだが
 何の意味があるのか分からない・同じく岡本麗の
 ストリップシーンもあまり意味が無いような・・・)

私には悪い癖があって現時点で活躍している「人物」を
あまり認めようとしない。
山口百恵の凄さを認識したのは数年前だし、この松田優作の
凄さも死んだ後何年も経ってからしか分からなかった。

中年になったのだから素直に「良いものは良い!」と
いえるようになりたいのだが、何しろ中年だからなぁ・・・。

そして、松田優作の最後の作品「ブラック・レイン」を
今夜は見ようと思う。
青臭いかっこよさをかなぐり捨てて、高倉健や
マイケル・ダクラス、アンディ・ガルシアを喰ってしまった
彼の「凄み」を目と心に焼き付けようと思う。

今回も最後までお付き合いいただきありがとう。
これを読んだみんなに幸福が訪れますように。
「なんじゃこりゃ!・・・俺は死にたくないよぉ・・・」
彼の科白が胸を打つ・・・。           may





コメント (2)
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