完全無欠な「もうすぐ前期高齢男」日記

「もうすぐ前期高齢男」に進級「老いの自覚」を中心にUpしていきます。

藤原 正彦著「国家の品格」読み終わりました

2006年05月09日 | 
私は中年である。
GWも終わって、あっという間に気温が25℃を
越え「暑さ」を感じるようになった。
こうした気候の変化が非常に応える「中年」である。

本には、読む「時期」がある。
特にベストセラーと呼ばれる本程その「時期」を選ぶ。
一時期、全くベストセラーと呼ばれる本に興味がなかった。

特に小説においての「ベストセラー」は、今でもほとんど
興味がない。なぜなら、そうしたものは後で読んでも充分
楽しめるからだ。

しかし、中にはその時を逃すと「読む意味」がなくなる
本もある。今回の本「国家の品格」はその際たる本だ。

人間は、何とはなしに「おかしい・・・?」と思っている
ことが少なからずあるはずだ。論理的に間違っていないが
納得できない。逆に論理的には絶対に間違っているのに
許せてしまったりすることが多々あるはずだ。

そうしたことの根本が、どこにあるのか、私はずっと
モヤモヤしてしていた。
この本は、そのモヤモヤを晴らしてくれた。

「人間は、なぜ他人を殺してはいけないか」という問いに
誰もが納得する完全なる答えを出せる人がいるだろうか。

著者は言う「1時間くれれば、殺していけない理由を50
殺してよい理由を50挙げてみせる」と。

論理というのは「それを展開する人間の都合の良いように
なっているのだ」と著者は言い切る。そうした、不安定な
「論理」なるもので世界が安定しているかどうかは、皆も
周知のところであろう。

あまり内容をUpしてしまうと、「ネタバレ」になって
しまうので、これ以上は突っ込んではいかないことにするが
最初に書いた「モヤモヤ」が、意外なことで説明がつくことを
知らされ、久しぶりに「目から鱗が落ちた」のである。

戦後、日本はかつてない貧困を味わってきた。その反動から
「物欲」を満たすことを最優先に、ガラムシャに突き進んで
きた。そのために、切り捨てられた物が一番大切なもの、
戦前に一番大切にされていたものであった気がして仕方がない。

そのことを含め、この本が爆発的に売れたことは、やはり
今の日本の「迷走」を誰もが認識しているということだろう。
そうであるならば、まだ・・・まだ「何とかなる」と思いたい
「中年」である。

今回も最後までお付き合いいただきありがとう。
これを読んだみんなに幸福が訪れますように。
まだ、遅くない。日本は戻ることが出来る!
                     may

コメント (3)
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