My Laid-back Aussie Life

オーストラリア、アデレード発のオージーライフ、家族、看護などについて~

Mannumへの道(2)

2006-09-05 21:23:48 | カントリーサイド~Mannumにて
「おゎっ!まずい!!(←咄嗟に出た英語の台詞よりは、遥かにお上品に訳してある。)」

と思ったその瞬間にはもう遅かったらしい…。車を運転するときはスピードにはかなり気をつけているつもりだったが、いつも通りにMannumへ行く途中の高速道路の誰ーもいない真っ直ぐな下り坂でパトカーのスピード・カメラに捕まってしまった。後ろに座っている2歳の息子があまりにも興奮していていたのに気を取られた瞬間だった。パトカーが目に入った瞬間にスピードを落として、何気に通り過ぎようとしたら、バックミラーにサイレンこそ鳴らしはしないがトップライト(オーストラリアでは赤と青)を点滅しながらしっかりと追いかけてきているパトカーが目に入る。「振り切れるか!?」と内心抵抗してみるがそんなことは無理だと端からわかっているので、しょうがなくおとなしく端に車を寄せる。

「君、カメラでスピード計っていたんだけどオーバーしていたの知っている?」

「あっ、そうなんですかー?」

「110キロのところを125キロ出していたよ。免許証を見せて。パトカーまで見てカメラを見る?」

「いーえ、いーです。どうせそんなの見たって違反は違反なんでしょー?」

「…。まぁ、一応説明してあげるから。」

そんなこんなで車にチビ達二人を残してパトカーまでついていきカメラを見るとカメラの画面に「125Km/h」とかばっちり書かれている。でも、書かれているだけでわざわざ拝むほどの代物でもない。でも初めてみて、ふーん。などと感心しているとアルコール検出検査や一通りの質問が始まった。

「きみ、パトカーが君の視野に入った瞬間から逆に119キロから125キロまでスピード上げたみたいだけど。普通は逆なのに…。」と、ちょっと不思議がっている。

ちょっと目が泳いでしまったが、おとなしくしてやり過ごす。後ろの息子に気を取られていてパトカーに気がつかなかったなんてとても言えない。しかも下り坂だったため加速がかかってしまったらしい。あぁ、違反をしてしまった。とショックを受けつつも、してしまったことはしょうがない、と気持ちをスパッと切り替える。こんなことが瞬時に出来るようになったとは。年を重ねたせいだろうか…。そうなると今度は罰金の金額がとても気になる。日本でもそうだが、駐車違反と比べるとスピード違反にはかなり高い罰金が科せられる。

「あのー、罰金はいくらなんですか?」

「えーっと、今調べてあげるから。…あぁ、ところで今回は15キロオーバーだったのを14キロオーバーってことにして報告しておいてあげるから。」

「は?」

「何故かというとね、14キロ以下と15キロ以上のスピードオーバーの罰金が100ドル近く違うんだ。ほらね?」と、罰金一覧表(?)を見せてくれる。それでも食らった罰金は167ドル。がーん!先週日曜日に働いた半シフト分の給料に相当する。

「うわー、ホント??サンキュ~~~~~~~~~~~!!!」と言いながら、ついうっかりガッツポーズをしてしまった…。チッ!

「…。この辺はカンガルーもよく飛び出してくるし。危ないからね、本当に気をつけるよーに。それに家族にも食べさせていくのにお金もかかるでしょう?点数をあまり取られると保険料金にもひびいてくるしね。云々。」と、露骨にあきれた顔をされ、お説教が始まってしまった。反省している態度が足りなかった様だ。反省しているって…。ただ、嬉しくってつい。しかしなんていうNice guyだ。よく見るとこのおまわりさん、とても爽やかな顔をしている。いや、そう見えてしまったのかもしれない。

しかし、こんなに車の数も少なく何も無いところに(本当に家一見回りに無い。)見張っていたもんだ。いや、だからこそか。でも目立つ白い車体のパトカーなんかよりも迷彩色のカバーでも掛けて待ち伏せしたほうが効果的なのに…。きっとこの辺のだだっ広い草原やブッシュしかないところにはさぞかしうまく溶け込めるだろう。そんなことを考えながら、ため息をつきつつも、今度は数十秒おきに時速計をチェックしながらMannumへと急ぐ。後ろでは2歳の息子が今度はまじかで見れたパトカーに興奮してしまってうるさい。でも集中集中。危ない危ない…。

おまわりさんが言ったように、この辺では野生のカンガルーが本当によく飛び出してくる。道端で轢かれて死んでいるのを時々見かける。こういう地域では、カンガルーの絵が付いている黄色い〈カンガルーにご注意〉サインを見かける。他にも、〈エミューにご注意〉や〈ウォンバットにご注意〉なんていうのもある。私も一度カンガルーを轢いてしまったとこがあったが、カンガルーは結構大きいので車体への衝撃もかなり大きかった。確かにあまりスピードを出していると、カンガルーだけではなく車も乗っている本人も危ないだろう。

本当に気をつけなければ…。反省反省。