植物園「 槐松亭 」

バラと蘭とその他もろもろの植物に囲まれ、メダカと野鳥と甲斐犬すみれと暮らす

庭木(の剪定)は必要か無駄か

2021年11月04日 | 植物
 園芸を始めてまだ9年ほどであります。それまで園芸や植物にはなんの興味もなく、その知識も何もなく、家内を除けば周りに先達となる人もいないので、ほとんどが試行錯誤、独習の日々です。何でもかんでもやたらと植えた「黎明期」から、少しづつ選別して姿かたちのいいもの香りのいい植物中心に移行した「成長期」を過ぎ、他で植えていないもの・熱帯性など難度が高い園芸植物にも対応するようになった「円熟期」に差し掛かっております(笑)。

 そうなると必ずやるべき作業の一つが剪定になります。小さな草花でも花ガラを摘み、切り詰めることで新たに新梢が伸び花芽がつくことを覚えました。一方所狭しと植えた結果、徐々に成長した樹木は上に横に広がり周りの木々と重なるようになります。ワタシの管理するエリアは、最大60坪であります。そこに考えなしに数百種に及ぶ植物を隙間を探しては植えた結果、植物同士の間隔がどんどん狭くなります。植物たちは陽光を求め上に伸び、枝葉を広げようとします。

 一人で脚立や梯子を使って剪定するのは危険ですし、上を向いたままの姿勢を維持するのは「頸椎ヘルニア」が悪化し痛みやマヒなどの症状が出る心配があるので、お医者さんから止められております。それなので、木の中心・頂点にある主幹を切り詰めて上に伸びることを抑制します。これを放置すれば手が付けられなくなり、伐り倒すしかなくなります。基本的には脚立の低いところに立って、植木ばさみが届くところまでに切りそろえます。2mちょっとというところでしょうか。それでもイチジクや桑は一年も経たずして3m以上にも新梢を伸ばします。一昨年植えたバナナは1年で二階の窓の高さまで大きくなりました。

 更に、草取りや枯葉・ごみ拾いの為には、地表に近い空間を確保する必要があります。木々で言えば「ひこばえ」と呼ばれる地面に近い細い枝を切って風通しを良くし、自分が、せめてかがんで作業が出来るようにするのです。ちゃんと出来ていると遠目からでも奇麗ですっきりし、きちんと管理しているように見えます。

 南側には隣家と接しておりますが、ここは意図的にやや高い樹木を密集させています。南向きなのに、二階家のお隣さんの家の陰になり、境界近いところは秋以降は日照が悪いのです。そこは遠い親戚ですが、親の代からトラブルが色々あってあまりお付き合いしたくない(顔をみたくない)ので、目隠しに木をたくさん植えました。建物同士の合間を強い風が吹きつけて、野菜などを傷めるのを防ぐ狙いもあります。一部には木陰を作るという狙いもあります。目的があってそれと環境に適した樹々を植えているのです。

 植えている樹木は食用のビワと桑、アカメ、陰樹の代表「アオキ」、アジサイ、金木犀、ナンテン、ヤマブキ等々。足元には常緑広葉樹が夏場に日陰を作ってくれるのでヤブラン、沈丁花、低木性ツバキなどを配し、日陰を好むハッカクレン・マムシグサ・エビネの鉢植えなどを置いてあります。きれいな花が咲くもの、香りのよい植物を優先しております。

 しかし、やはりわざと間隔を詰めて植えているので本当に生け垣のようになってきました。自分の通る隙間が無いので藪になってしまいます。年々樹高も高くなるので、野菜や他の植物の日照が悪くなっては本末転倒であります。そこで、アカメを一本処分しました。もう根が絡み合っているので根元からのこぎりで切るだけですが。思い切って周りの木々を片端から剪定しました。ついでに地表の落ち葉やごみを集めて片付け、とりあえずすっきりしました。

下の写真だけで12種類の植物を植えています。

 さて、今朝そのとなりのおばさんから「今月植木屋さんが入るので、よろしく」と言われました。年二・三回植木屋が剪定するのにこちら側から作業するからと断ってきます。先んじて剪定し片付けしておいてよかった。植木屋が作業するのに「藪」でウチの木々をかき分けるようでは名折れですから。まぁ、目くじら立てることもないので、どうぞ、自由に立ち入ってくださいと答えますが、ワタシが母屋からだいぶ離れているここで園芸を始める10年ほど前までは、普段誰もいないのをいいことにウチの地所に植木屋どころか、自由に車を駐車し好き勝手に利用していたのです。ワタシがここで園芸を始め、毎日居るために、いささか勝手が悪くなっているのですね。

 それで、剪定の話に戻ると、母屋には年に三回親の代からの植木屋さんがやってきます。今年はあと一度かな。昔ながらのちょっとした旧家・お屋敷は、たいがいこうした植木があり枝ぶりのいい松が庭にあり、植木屋さんが出入りするというのが定番であります。ワタシはお金の無駄と考えていますが、「見栄」や「義理」があって、なかなか縁を切ってしまうこともままなりません。

 腕に覚えが出来てきたワタシですが、母屋の剪定はアンタッチャブルであります。義母が亡くなった時に全部処分するつもりでしたが、様々な障壁・事情から柘植や渋柿の木など3割ほど伐採したまでに留まりました。今でも勝手に庭木には触れられず、自分が好きなものも植えられません。裏手に「金木犀」の古木があるのを知ったのも今年でした。
 
 自分で剪定すれば「ただ」なんですが・・・。

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