植物園「 槐松亭 」

バラと蘭とその他もろもろの植物に囲まれ、メダカと野鳥と甲斐犬すみれと暮らす

筆巻きに巻かれて

2020年07月19日 | 書道
  週に一度の書道のお稽古で、筆巻き探しがお約束であります。筆巻きは竹で編んだ、筆を持ち運ぶ道具です。巻き寿司を作る時にも使います。(それは嘘です)
 書き終わってよく洗って水気を取った筆をクルクルと巻いて、紐に付いた笹止めという笹状の小さな留め具を挟んで固定します。
 お稽古の場所に行くときはこれを持って行かないと、筆先が曲がったり傷めたりします。書道用具の中では安価な部類、長くてしっかりとしたものでも3千円位、百均でも売っています。

 ヤフオクで、書筆から紙・硯・水差など書道用品全般をまとめて低価格で落札し、それは沢山持っていますが、不思議と筆巻きは入っておらず、買ったもの一本しかありません。それで、例によって整理が悪いために、その筆巻きが反故やらなんやらに埋もれるているので、毎週出かける前の準備の都度探すのです。

 日用品で、ハサミ・カッター・ドライバーなどはよく使います。使ったら元の場所にしまえば事足りるのですが、屋外から屋上まで内外で年中作業をするので、あちこちに置いております。齢を取ると一日の内、探し物の時間が増えるそうであります。なので、カッターナイフやハサミの安物を、それぞれ10数個買ってそこらに分散させ、探してもすぐに見つかるようにしているのです。ワタシ式探し物防止対策であります。整理状態が悪くても、探した時に見つかる確率が高くなるという、ずぼらな発想ではあります。

 毎度の筆巻き探しに嫌気がさして、数本求めることにしたのですが、そこはそれ、ヤフオクでお楽しみがあります。定価で買えば1000円から3000円いたしますので、一個だけなら買います。これは数本あった方がいいに決まっていますからヤフオク「書道用品まとめて」で検索し入札、筆巻き十本などに興味を持つ人などいるわけもない、思ったら間違い、他にお二人入札がありました。結局競り勝って、3240円で落札(笑)、送料は千円でした。
 届いた中身は、未使用の筆巻き6本含め10本。これに真鍮製の筆置き・筆立て、金属製墨池(新品)、文鎮2種、筆入れ小箱が入っておりました。

 販売時の価格などは実際どうでもいい事ではありますが、念のため一応ざっと計算します。値札付きの未使用筆巻き5本で約1万円、墨池は恐らく一個4千円くらいでしょう。真鍮の筆立てにも4千円の値札が付いていました。筆置きは千円と言ったところでしょうか。

 気に入ったのは古びた鉄製の文鎮。下の写真の右側です。
墨と汚れで真っ黒でしたが、丁寧に洗って汚れを落とすと花模様が現れました。横にも唐模様の細工が施されていて、実用品としてはなかなかの逸品と見受けました。

さらに、「龍尾石鎮紙」と銘がついた一対の文鎮。これも素敵です。
 中国では、最も高価で人気がある端渓硯と並んで、貴重な「歙州(きゅうしゅう)硯」で特に珍重されたのが「龍尾石」です。歙州硯は、市販される小型の実用硯でさえ7千円ほどいたします。この龍尾石の文鎮は、漢詩を彫り金文字を施しておりますから、かなりのお値打ち物だと思われます。とはいえ時価・定価などは知る由もありません。

 まあ、贔屓目に見て、全部で時価3,4万円くらいでしょうか。( ´艸`)
「結構な買い物であった」と納得してしまいます。しかし、そもそも、一本あれば事足りる筆巻きです。予備に2本買うとして、2千円程度で間に合ったはずが、4千円以上を使い余計なものが増えて、無駄な出費となったともいえますな。儲けたのか、損したのか なんとなくけむに巻かれるような話ではあります。
 
 不要な品物が多くても、そのうちだれかに差し上げれば喜ばれます。 
 ものは考えよう、儲かったことにしておきましょう。

実は、数日後に入札期限となる「書道具まとめて」の出品があるのです。その中に、以前から欲しくては手が届かぬ古端渓硯、氷紋・石眼ありらしき硯が含まれているのです。本物なら安くても10万円以上いたします。偽物である確率が高いのですが、くじのようなものです。もしかしたら・・・・、と虎視眈々と狙いをつけております。
コメント
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