植物園「 槐松亭 」

バラと蘭とその他もろもろの植物に囲まれ、メダカと野鳥と甲斐犬すみれと暮らす

すべてはこれから ガンバコに片足をつっこむ 中編

2020年07月13日 | 書道
 昨日は、たまの晴れ、猛烈な暑さの中で、カラス対策、草取り、メダカプールの清掃、屋上サンルームのリニューアルと大忙しでありました。草取りはおよそ1割くらいしかはかどりませんでした。大量に汗をかき疲労困憊、久しぶりに書道の時間がとれずお休み。無理は禁物です。昔ならば「棺桶(がんばこ)に片足を突っ込んでいる」と言われてもおかしくない歳回りなのです。
 ちょっと無理して動くとすぐにガタが来ます。今日は手首の痛みとふくらはぎの疲労感です。手首は手根管というのがあって、狭い管の中に9本の腱が通っています。長年酷使し老化すると、この腱がスムーズに動かなくなるので手のしびれや痛みが出てきます。多分ワタシは「手根管症候群」だろうと思いますな。

 ワタシの書道の師匠「藤原先生」は、お稽古の時間にはほとんど指導らしきものはありません。2時間やって、たまに「きれい~」とか「線質がいい」とか褒めてくれることはありますが、習字に関することに一切触れないことすらあります。いい歳をしたおじさんおばさんに、口やかましく書き方を修正したり口出ししても仕方ないのです。また、私以外のお仲間は、ここで十数年集まっていますが、もはやお茶のみ・世間話がメインなので、聞かれない限り、好きにやらせているのです。

 ところが、先日は珍しく色々と指導していただきました。作品作りに入ったら、どうしても知っておかなければならないこと、注意点などが数多あります。何事も最初が肝心、見よう見まねで書いているワタシの書を見かねたのでしょうか。

 忘れるといけないので、指摘されたこと、修正されたことをランダムに羅列いたします。
・筆が小さい―半紙で練習していた時の5号程度の筆ではのびのびとした条幅を描けるはずも無いのです。
・筆は、中鋒でいいから毛の量が多いものを選びなさい。
・墨を付ける場合、根元まで浸してたっぷりと含ませ、紙の上に持ってきたらさっと書きだす(墨が落ちる前に)のよ。
・墨継が多すぎる。3回が目安です。
・墨の濃度が濃すぎる。
・半切の紙質が適していないようだ。しっかり筆になじみ、墨を吸うような柔らかでしっとりした紙を選んで。
・終筆(一字の最後の画の終わり、収筆)を雑にしたり、弱く掠れさせない。
・全体にゆっくりと丁寧に書く。墨が足りなくなってもゆっくり書けばちゃんと書ける。
・字の間隔が同じだとだらだら書いているように見え変化に乏しい。
・出来るだけしつこく粘っこく書く。
・かすれは1,2字くらいにとどめる。
等々でありました。

 字そのものの形には一切触れませんが、1,2年分の月謝相当分をまとめて直接指導してもらえたような気分でありました。
 この4年間、この時が来るまで、じっと眺めていたのです。作品を作るという書道の一つの到達点に向かって、此処を先途とばかりに教えていただいたのです。(とはいえ普段言われていたことが実践できていないのも多々ありますが)

 更に、字の角度のつけ方や、字ごとの大きさ、抑揚・濃淡など挙げればきりが無いほのです。先生は、特に空間について非常に神経を使います。字がいくら上手でも、バランスや余白が適正でないと美しく見えないのです。紙の中の黒と白だけで織りなす書芸には、その空間が非常に大切なのですね。準中級者のワタシとしては、いまだピンと来ておりません。
 
 条幅を書くことに慣れ、作品づくりを経験すれば、そのうち高度な技術や感性が身に付くのではと、勝手に想像しております。
 字がうまくならないのは、手根管症候群のせいにしておきます。
 


コメント
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