B&Bの女主人マリ(ロザンナ)は、アンリ(穂のか)と空港ロビーの牛のモニュメントの前で待ちあわせ。アンリの亡くなった祖母静香(吉行和子)は赤毛のアンのネットコミュニティ内の有名人で、マリともネット友達だった。
本当は祖母と一緒に来るはずだった赤毛のアンの故郷の島で、祖母が渡せなかったラブレターを届けようと、アンリは祖母の初恋の人を捜し求める。手掛かりは、1946年に軍人として日本に来たということと、灯台のそばに住んでいるということだけ。片っ端から島の灯台を自転車でまわり始めるアンリだが、なかなかその人はみつからず、そんななかでB&Bの隣人ジェフや息子のライアン、B&Bに泊まりにきた日本人姉妹のミユキとミカたちとふれあい、徐々に祖母を亡くした悲しみも癒されていく。
結局その相手は見つからず、アンリが島を去る記念のパーティーで、祖母のラブレターを朗読すると、それを録音したライアンの友人で地元ラジオのDJブルノーが番組を変更して島全体に協力を呼びかける。そしてアンリたちが向かった先には。。
シネトレさんのブロガー試写会に行ってきました。基本的にはアンリが祖母を亡くした悲しみを乗り越えていく成長物語。ずっと一緒に二人で暮らしてきたお祖母ちゃんを亡くして悲しみの殻に閉じこもっていたアンリ。部屋では携帯でお祖母ちゃんのビデオレターを繰り返し見ている。きっと遺品を整理するなかで、ネットサイトの有名人だったことや、ラブレターのことを知ったんじゃないかな。一緒に暮らしていたのにそんな一面を知らなかったアンリは、それで少し依怙地になって、島をよく知っているマリにも黙って灯台めぐりをして何とか自分でその人を見つけたかったんじゃないかと思う。
でもそんなちっぽけなアンリの意地っ張りも、この島は、そしてこの島の住人たちは優しく包んでくれる。赤毛のアンは昔読んだのかもしれないけれどさっぱり覚えていなくて、プリンス・エドワード島のグリーン・ゲイブルズがその舞台だといわれても、いまいちピンとこない。そんなだから、印象に残っているシーンは本土と結ばれている長い橋と、ライアンとアンリがボートで沖へ出る場面。どちらも抜群の天気で、素晴らしい風景でした。
映画としては荒削りというか、もう少しこうしてくれたら、というところがあったなあ。例えば島の風景をもっとみせて魅力を伝えてもらいたかったとか、もっとバラを前面に出してもよかったんじゃないかとか、ミユキとミカのエピソードもいまいちピンとこなかった感があるし、ライアンとアンリの関係も、あまりにも微妙というか、かすかなものでありすぎて、初監督作品だからか、いまひとつ力不足は否めない。
試写会の後に監督挨拶があったんだけど、26日間のオールロケでしかも穂のかは撮影直前にネット面接で出演が決まり、マネージャーもつけずに一人で現場入りしたそうな。天気もぐずついた日が多かったらしいけれど、最初の空からの風景やボートのロケ、最後のパーティーなどここぞという日は見事に晴れて、奇跡的だと言ってました。この監督さんって、jimamaの妹ってサイトで見てびっくり。ただいまjimamaの『想い』が自分の目覚ましソングになってます。
そうそう、劇中でアンリが描いていた絵がとても幻想的で素敵だったんだけど、いったい誰の絵なんだろう?と思っていたら、中原淳一さんという画家の絵なんだとシネトレさんのレビューにありました。
公式サイトはこちら⇒
(C)2009 Zuno Films グランジュテ
今秋、シネカノン有楽町1丁目ほか全国順次ロードショー
9/3 新橋TCC試写室
『海角七号、ついに日本公開!』
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