反日映画っていうか、第二次世界大戦の日本がかなりイメージ悪く描かれているとして、しばらく公開が決まらなかったいわくつきの作品、日本公開が決まっても東京ではシアターイメージフォーラムだけで、シネコン系は対象外だから商売的にあまり歓迎されないのかな。監督はアンジェリーナ・ジョリー。
イタリア系移民の子供で、陸上競技のオリンピック選手としてベルリン五輪に出場し、幻の東京五輪を目指していたルイ・ザンペリーニ。対日戦争では爆撃機の乗員として軍務についていた。
ある日、太平洋上で機体の故障により不時着したルイは、同じく脱出したフィル、マークとともに救命ボートで海上を漂うことになる。水も食料もなく、南洋の暑い陽射しの下で漂流を続ける3人、日に日に衰弱し、ついにマークが命を落とす。
ルイとフィルも諦めかけたころ、日本の軍艦に救助される。南方の島で捕虜となり狭い石牢に入れられるが、しばらくして東京、大森の捕虜収容所に移送される。大森収容所で、元オリンピック選手だったルイは所長の渡辺に目をつけられ、何かと殴られる。有名人のルイはアメリカ向けラジオの宣伝放送にも駆り出されるが、日本の広告塔となることを拒否して収容所に戻ってくる。待っていたのは渡辺の容赦ない仕打ちだった。
やがて戦局が傾き東京が空襲されると、捕虜は直江津に移送されて石炭運搬の重労働に使役される。ルイは直江津に転属していた渡辺にここでも目をつけられる。やがて日本はポツダム宣言を受諾し、戦争が終わる。。。
海上の漂流から助かるなどかなり劇的なストーリーで、主人公も元オリンピック選手という珍しさながら実話なんだよなあ。太平洋上で漂っているまでは「どこに日本軍が出てくるんだ」と思ったけれど、後半は完全に日本が舞台。反日映画と一部の人が目を剥くのもむべなるかな、という感じ。ただ多少演出は入っているかもしれないけれど、当人の手記なりを元にしているわけだから大森の収容所にしろ直江津の強制労働にしろ、事実なんだろうなあ。日本としては、やはり自分たちがやったことはしっかり認めて、何が悪かった誰が悪かったと責任の所在をはっきりさせた上で冷静に見られるようになることが重要だと思うのですが。
爆撃機の機体って機銃で簡単に穴があくほど薄っぺらなんだなあと、びっくりです。軽量化のために仕方ないですね。
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2/21 渋谷シアターイメージフォーラム
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