まてぃの徒然映画+雑記

中華系アジア映画が好きで、映画の感想メインです。
たまにライヴや本の感想、中小企業診断士活動もアップします。

風の馬 WINDHORSE

2009-06-03 00:00:00 | その他の映画
チベット圧政の現実がここにある。





兄妹のドルジェとドルカ、そして従姉妹のペマ、3人が幼いころ一緒に縄跳びで遊んでいると、中国警がやってきて、お祖父さんを射殺していく。反中国のビラを貼ったという咎で。





生まれ育った村を離れてラサに移住したドルジェの一家だが、ドルジェは仕事もせずに昼間はビリヤード場に入り浸り、夜な夜な酒を飲んでいる。そんなドルジェは外国人旅行者エミーと知り合いラサを案内するが、二人の様子は監視カメラにバッチリと映っている。





ドルカは地元のディスコのステージで歌っていて、成都出身の中国人プロデューサー、ドアンピンに見初められ、レコーディングからテレビの生放送までとんとん拍子に決まっていく。





ドルカがドアンピンを家に連れて行ったときには、中国茶に唾をいれてお茶を出したお婆ちゃんも、ドルジェがチベット語を話すエミーを連れて行ったら伝統のチベット茶でもてなす。この違いがチベット人の本音なんだろう。





ペマは僧院に入り尼僧として修業しているが、ある日突然ダライ・ラマの肖像が禁止される。そして隠れてダライ・ラマの肖像を掲げていた修行僧は捕らえられ、トラックで刑務所送りにされる。ラサの街に出たペマは耐え切れず「チベットに自由を!」と叫んで、すぐに捕まり刑務所送りに。





ドルカは民族融和を宣伝する生放送で、共産党を賛美する歌を歌うことになり、リハーサルまで無事にこなした。そして家に帰ると、刑務所で暴行を受けて瀕死の状態で放り出されたペマが寝かされていた。暴行が激しく獄死を恐れた刑務所が、身内であるドルジェの家に連絡してきたのだ。この暴行を加える刑務所の獄吏も同じチベット人。このあたり、共産党政府の狡猾さを感じる。





ペマに加えられた暴行の跡を見て、ドルジェは地下活動をしている友人に連絡し、何とかこの状態を外部に伝えようとする。そして旅行者エミーのビデオに記録することを提案する。ペマは瀕死の状態で、刑務所で受けた暴行、チベット仏教に対する迫害についてビデオに語り、精魂尽き果てて息絶える。ドルジェたちは録画したテープをエミーに託す。





ペマが語り終えるのを見届けて、生放送の収録に向かうドルカ。しかし、カメラの前で歌うことはできずスタジオを飛び出してしまう。そしてチベット寺院でマニ車を一心不乱に回して心を鎮めるドルカ。自分のとった行動は正しかったのだろうか、そして今後どうなるのだろうか、そんな不安を叩きつけるかのようにマニ車を回す。





ドアンピンは、ドルカの家に刑務所から釈放された尼僧がいることを上司に話してしまい、そこから政府はドルジェの家にたどり着く。ドアンピンはドルカに「すまない」と言うのが精一杯で、ドルジェ一家は急いでペマの遺体とともに家財道具一式を持ってラサから逃げる。間一髪で、警察が家にきたときにはもぬけの空だった。しかし監視カメラでドルジェと一緒のところを撮られていたエミーは、無事出国できたもののペマの告白テープは没収されてしまう。





生まれ育った村に逃げてきたドルジェの一家、お婆ちゃんとドルジェの両親は警察が来たとしてもここで暮らすというが、ドルジェとドルカは警察を逃れるために徒歩でヒマラヤ越えを目指す。10日以上歩き続けてようやく中国国境を抜けたところには、たくさんの「風の馬(ルンタ)」があり、彼らもそれを空に舞い上げる。チベットの自由を願って。





映画『風の馬』



歩いてヒマラヤを越えて中国を脱出したチベット人は10万人以上と言われている。共産党人民解放軍のチベット侵攻が1950年、そしてチベット民族蜂起が1959年、それ以来チベットの状況は基本的には変わっていないことがこの映画で伝わってくる。昨年の北京五輪で「フリーチベット!」と叫び聖火リレーを邪魔したチベット人たちの主張したいことがここにある。言葉も文字も宗教も違う中国人とチベット人。ただチベットでチベット人がチベット人らしく生活したいと願うチベット側に対して、同化政策をとる中国政府。





僕たちが忘れていけないのは、こういうことがあるという現実。世界第三位の経済大国になって、そのうち経済規模で日本を追い抜くことは必至の中国は、一方で人権弾圧を平気で行っている国であるということ。僕には何もできないかもしれない。でも、この事実があることは忘れない。





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