まてぃの徒然映画+雑記

中華系アジア映画が好きで、映画の感想メインです。
たまにライヴや本の感想、中小企業診断士活動もアップします。

恋人たち

2017-02-04 23:47:42 | 日本映画(あ~な行)

2015年に公開された時少し気になっていたけれど、観れなかった作品。2本立てで上映していたので観てきました。

通り魔に、結婚して間もない妻を殺されて3年、まだ立ち直る気配すら見えない篠塚篤。夫と姑と3人暮らし、弁当工場のパートでいつも変わらぬ日々を過ごす主婦。大手弁護士事務所でエリート弁護士として働いているが、ゲイで大学時代の友人に片思いをしている四ノ宮。この3人の人間模様が少し絡んだり絡まなかったりしながら描かれる。

『恋人たち』というタイトルのわりには一般的な恋人は全然出てこない。篠塚は橋脚のコンクリートを検査する会社で働いているけれど、お金がなく給料の前借りをしたり保険料未納で保険証を持ってなかったりする。心神耗弱で責任能力がない、と主張する通り魔犯に民事訴訟をするため、高い料金でいろんな弁護士事務所に相談しているのだ。医者に行くため臨時の保険証を申請しに役所へ行けば、未納分の保険料を払ってからと素気無く対応され、篠塚を心配して部屋を時折訪れる義姉は、交際していた男性に振られてしまう。

篠塚は相談していた弁護士(これが四ノ宮)に民事訴訟もできないと言われ、自暴自棄になってネットの掲示板を頼って買った覚醒剤はニセモノだった。と、とにかくキツくて痛い。でも会社の事務の女の子や先輩の黒田さんが時折見せる、アツシに対する優しさにホロリときます。

主婦のストーリーは一応男と女が出てくるけれど、安っぽくいかがわしい空気が漂ってくる。路上で鶏を追いかけていた鶏肉屋と出くわしたことから、普段の生活とちょっと違う世界に触れる主婦。寂れたスナックで作られる「美人水」に、養鶏場を持つ夢を語る鶏肉屋。雅子様が大好きで少女漫画を描く趣味がある主婦は、何の変化もない平坦な日常を飛び出してスーツケースに荷物を詰めて新しい生活へ踏み出そうとするが、鶏肉屋の男はスナックのママと同居していてヤク中だった。おいしい話など無かった主婦は、いつもの平板な日常に戻るが夫とのセックスはコンドームがなくなり少し変化があった。

弁護士の四ノ宮が誰に突き飛ばされたかもちょっと気になるけれど、学生時代の友人の妻から「息子に何かあったら…」と思われて避けられるのは辛いなあ。何だかいきなりよそよそしくなるのも、昔から知っていたからこそ「何でっ?」ってなるだろうし。

恋人=幸せというイメージがあり、主人公3人は幸せの一つの形として恋人を求めているけれど、もう戻らない、手に入らないものではなく、手の届くものをこれから探していくんだろうな、と思いました。

公式サイトはこちら

12/29 キネカ大森
クリックで救える命がある。投資信託


最新の画像もっと見る

コメントを投稿