まてぃの徒然映画+雑記

中華系アジア映画が好きで、映画の感想メインです。
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ひと夏のファンタジア

2016-08-15 23:56:31 | 韓国映画(は~わ行)

『萌の朱雀』で西吉野村を舞台にした河瀨直美監督が、プロデューサーとして同じ五條市(西吉野村と合併!)の魅力を伝える日韓合作映画。

モノクロの第一部とカラーの第二部に分かれていて、第一部は五條市へロケハンに来た韓国人の映画監督と通訳のミジョン(キム・セビョク)が、市役所の武田友助(岩瀬亮)の案内で五條市を巡り、翌日は地元の人の案内で市街地を離れ、さらに山奥を訪ねる。第二部はその監督が撮った作品、という位置づけなのかな。

第一部、友助が五條市を案内する途中で食べてたお蕎麦が美味しそう!翌日、川の氾濫の話や昔からやっている喫茶店、山間の集落に残って住み続けているお婆ちゃんの話に廃校になった小学校と、ドキュメンタリーっぽい映像が続きます。お婆ちゃんや冒頭の居酒屋(?)の主人なんかはそのままなんだろうなあ。急激な過疎化や少子高齢化の爪痕も厳しく、山間地の現状が頭では理解しているつもりだけど映像でひしひしと伝わってきました。監督が夜の散歩中に見た、自転車に乗っていた少女が何者なのか気になります。

第二部は、韓国から一人奈良へ旅行に来たヘジョン(キム・セビョク)が五條市の観光案内所で出会った柿農家の友助(岩瀬亮)と、五条の町並を歩きます。ヘジョンは第一部のミジョンと同じ女優だとすぐ分かりましたが、友助は第一部の武田友助と同じ俳優だとは分かりませんでした。江戸時代の風情が残る新町通りを歩いたり、桜井戸の伝承を話したり、友助がヘジョンの気を引こうと頑張っています。明日、もっと遠くへ行くなら車を出すから連絡して、と携帯番号を渡し、その夜も韓国にいるらしい恋人と電話して喧嘩になったヘジョンは、翌朝友助の車と案内で山のほうへ。

友助の父が住んでるはずの家や、監督とミジョンが訪れた廃校にも行きます。夜は雰囲気のあるバーで一緒に飲んで友助は「日本の彼氏でいいから…」と告白しますが、韓国に彼氏がいるヘジョンは断ります。お祭りの誘いも断り、韓国に行ったら案内してもらうから電話番号を教えて、と言った友助にヘジョンは。。。

第一部、第二部とも五條の新町通りの町並が魅力的です。山間の集落の光景も郷愁を誘いますが、過疎化の寂しさと表裏一体でストレートに景色を楽しむわけにはいきません。それは五條市の中心部だろうと同じことなんだけど、やはりより切迫感がある方に目が行ってしまうのでしょう。

田舎の風景はとても良いのですが、これが後どのくらい続いていけるんだろう、と考えると少し暗い気分になります。人手が入らなければ荒れるばかり、しかしその人手がいないとなると、朽ちゆくのみかもしれません。

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