まてぃの徒然映画+雑記

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太平洋の奇跡 ‐フォックスと呼ばれた男‐

2011-02-22 00:00:00 | 日本映画(あ~な行)
まだまだ知らないあの戦争の歴史がたくさんあることを、改めて強く思った映画でした。

敗戦前夜のサイパン島、日本の勢力範囲だったときには民間人2万人、軍人3万人の日本人が暮らしていた。しかし1944年12月、島の南西海岸から上陸した米軍は、たちまち日本軍を追い詰めて、民間人は北壁の“バンザイ・クリフ”から身を投げ、軍は“バンザイ突撃”で日本軍4000人、米軍2000人の戦死者を出して玉砕する。

この作品の主人公、大場栄大尉(竹野内豊)が活躍するのは玉砕戦の後からです。数少ない生存兵を集め、ひとりでも多くの米軍兵士を殺そうとゲリラ戦を展開する。しかし山中にあった民間人の野営地が空爆にあったことから、任務を民間人を守ることに変えた。

日本人収容所の食料や医薬品を盗みつつ米軍に投降せずに耐えてきたが、8月15日をむかえて玉音放送の噂も流れてきて物資も底を尽き、大場大尉は民間人を投降させる決断をする。大場以下47名の兵士は山に残り、投降を促す米軍将校にも「投降はしない、しかし帝国軍人である私は上官の命令には従う」と微妙な言い回し。最終的には上官から投降命令がきて、大場大尉の部隊は日章旗を先頭に、軍歌を歌いながら整然と行進して投降する。それは敗戦から4ヶ月も経った12月だった。。。
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竹野内豊の頬はこけてげっそりと痩せて、本気の役作りでした。クランクイン前にサイパン島の重要な戦跡を訪れて、線香を上げていたテレビ番組を見たんですが、本当に映画どおりのジャングルの中なんですね、日本軍がいた場所は。昔の水筒が落ちていたり、骨があったりと、まさに戦場の跡でした。やはり戦争映画、特に日本軍がテーマのときは、犠牲になった方たちへの崇敬の念が必要だと思います。

日本軍と米軍の装備の差は歴然でしたが、そんなにたやすく収容所に盗みに入ったりできるんでしょうか?米軍の陣地もあんなに監視がゆるゆるだとは思えませんが、占領して気が緩んでいたのかもしれません。大場大尉がサイパンから出撃するB29をどんな思いで見上げていたのかも気になります。

中島朋子のどこか抜けたようなゆったりしたキャラクター設定は今ひとつ意図がわかりませんでしたが、目の前で米軍の攻撃で家族を失った井上真央の激しさと対比させたかったのかな。井上真央は、機関銃を撃ってみたり野営地で看護婦を精一杯やったり、薬を盗りに収容所へ忍びこんだり、活躍していました。

フォックスと呼ばれるくらいだから、もう少し米軍を翻弄するような戦闘シーンがあるかと思っていたけれど、2回しかそれらしきものがなかったのが少し残念です。撮影は大変だけど、もう少しフォックスらしい企みがたくさんあると良かったかな。
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大場大尉が見つけ、米軍が救った赤ちゃんは、米軍も日本軍も同じ人間だと分からせてくれて、戦場の中の明日への希望となってました。

太平洋戦争、まだまだ知らないことがたくさんありそうです。

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