まてぃの徒然映画+雑記

中華系アジア映画が好きで、映画の感想メインです。
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筑波海軍航空隊

2015-11-10 21:11:55 | ドキュメンタリー(あ~な行)

戦後70年ということでいろいろと戦争のことが取り上げられているが、当時20歳だった人が今年90歳、実際に兵士として戦争を体験した人たちが自分の言葉で語ることはもうすぐ無くなってしまうだろう。そういう状況になっても戦争反対と言い続けられるのか、勇ましい掛け声のほうが優勢になってしまうのではないか。憲法解釈の変更、そして集団的自衛権の容認、戦争法案の提出と、日本は確実に戦争をする国へと向かっている。いったい誰が望んでいるのだろうか。

この作品は、戦争中に学徒動員で徴兵された学生たちが訓練を受けた筑波海軍航空隊に焦点をあてたドキュメンタリー。1943年、兵力不足を補うために学徒動員が実施されたため、通常4年かかる基礎訓練がわずか4ヶ月で行われ、その多くが特攻隊員となって命を落とした。生き残っている人から話を聞いているわけだが、訓練の厳しさとともにガソリン不足で十分な訓練ができなかったことが語られる。

寝食を共にした戦友が特攻に飛び立つ前、「先に行く」とだけ言い残したこと。特攻に志願するということは、生死の境を乗り越えてもう「死」しかないということ。当時の大学生といえば今の大学生とは比べ物にならないくらいの社会のエリート、その中でも戦闘機乗りになれるほどの人材を、無茶な特攻であたら犬死させてしまった。一撃必殺で突っ込むだけで敵機とドッグファイトなどしないから、4ヶ月で本当に特攻するためだけの技術を教えられたのだろう。

遺書の代わりにアルバムを作ったという柳井さん、その写真は涼やかで勇ましく、親に心配をかけまいといい写真ばかり選んだと言っていたが、厳しい中にも同世代の戦友と楽しんでいるようにも見える。慰問の女子学生と文通を重ねる者もいたし、夜の12時まで兄と面会していたという人もいた。特攻に行く前ということで、せめて心残りがないように、ということだったのだろうか。

自分たち戦争を体験していない世代がどうやってこの思いを引き継いでいけばいいのか、大きな大きな課題です。

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