まてぃの徒然映画+雑記

中華系アジア映画が好きで、映画の感想メインです。
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お嬢さん

2017-06-27 21:30:58 | 韓国映画(あ~な行)

オールド・ボーイ』『JSA』『親切なクムジャさん』『渇き』など強烈な映画を撮るパク・チャヌク監督の最新作は、日本統治時代を舞台にしたR18指定の過激作。

盗賊集団の中で育ったスッキ(キム・テリ)は、グループの一員で藤原伯爵を名乗る男(ハ・ジョンウ)の差し金で、日本人の令嬢秀子(キム・ミニ)の元へお手伝いとして送り込まれる。藤原は秀子と結婚して財産を乗っ取る計画を立てていたのだ。

藤原は秀子の叔父、上月の客として秀子に近づき、スッキの手引きを利用して秀子と恋仲になる。秀子の財産で暮らし、趣味である春画の蒐集などをしている上月は、秀子の結婚を許可しないため、藤原伯爵と秀子は日本で結婚する約束をして、秀子はスッキと共に屋敷を脱出する。

秀子とスッキ、そして藤原伯爵は日本で山間の小さな寺に落ち着いたが、秀子は駆け落ち同然で日本に来た後ろめたさからか、ふさぎ込むようになる。心配した藤原はスッキと共に秀子を病院へ連れていくが、そこは精神病院、ここに秀子を入院させて財産を奪うはずがなんと!スッキが身代わりで入院させられる!

と、ここまでがスッキの視点で語られる第一部。第二部は、同じ時間軸が秀子の視点から語られる。藤原の裏切りにより、実はスッキの身分と狙いが秀子には事前にばれていた。そして上月の異常な性癖に辟易していた秀子は、藤原の誘いに自ら乗ったのだ。しかし、スッキの盗賊ながら純粋な心が秀子に伝わり、2人は強く通じ合う。上月の屋敷からの脱出時には貴重な春画コレクションを無茶苦茶にして日本へ渡る。

そして病院の件の後からが第三部。スッキをまんまと入院させた藤原と秀子は、ホテルで祝杯を上げるが、その夜秀子は体当たりで藤原に薬を盛り、行方をくらます。スッキが入院した精神病院では火災が発生、スッキは病院から脱出して街中へ。

意識を取り戻した藤原は、上月が差し向けた追っ手に捕まり朝鮮の上月の屋敷へ連行される。その頃、偽造パスポートを手に入れた秀子とスッキは。。。

あっと驚く三部構成、そしてどんでん返しの騙し合い。そうくるか、とパク・チャヌク監督の手腕に脱帽です。秀子とスッキが最後に自由を手に入れて、藤原と上月が共に倒れるというのは、女性の解放や策略の巧みさを描いているようです。秀子とスッキが上月の屋敷から脱出するシーンも解放感に溢れてましたね。

秀子役のキム・ミニは韓国の女優さんらしいすっとした綺麗な顔立ちで、スッキとの絡みの場面が艶めかしい!上月の異常な性癖で客人の前でエロ小説っぽいものを朗読したり、朗読シーンに合わせて縄で吊り下げられるシーンは、露出こそ少ないもののかなりアブノーマルな感じでした。

日本統治下を舞台にした韓国の映画だと、抗日がテーマや背景となることが殆どですが、日本人の令嬢や春画などを扱った作品は初めてでした。パク・チャヌク監督だからこをできたことなのでしょう。原作のサラ・ウォーターズ著「荊の城」も読んでみたいです。

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