まつたけ秘帖

徒然なるままmy daily & cinema,TV drama,カープ日記

未亡人

2006-09-08 | イギリス、アイルランド映画
 秋果てて 霧の籬にむすぼほれ あるかなきかにうつる朝顔

 朝晩、めっきり涼しくなりましたね。でも、今日は残暑がキツかった。
 庭の朝顔も、じきに色あせ朽ち果てるでしょう。
 今年も、熱い想いに灼かれることなく、夏は逝く...
 
 「キャル」
 アイルランドの宗教紛争を背景に描かれる、孤独な青年キャルと年上の未亡人の恋。
 アイルランドといえば、宗教対立とIRAのテロを抜きには語れません。
 宗教も政治も、無知無関心な私。こういう憎悪と暴力が激烈に横行してる国に、生まれなくてよかった、と思わずにいられません。
 これは80年代の話だけど(チャールズ皇太子&ダイアナ妃の幸せそうな写真があったり)、いま現在も、アイルランドの状況は変わってないみたいで、神様なんていない...と悲しくなります。アイルランドの田舎って、とても美しいみたいなので、行ってみたいんだけどなあ。
 一見、牧歌的で清らかな雰囲気の街だけど、武装した厳しいイギリス兵や、日常的に起こるテロ行為などが、不穏で物騒な重い影を落としていて、とてもじゃないけど、心穏やかに暮らせたものではない。みんな疲れて不幸そうだし。
 キャルと未亡人の恋は、淡々と優しく、やがて激しく。燃え上がった途端に、引き裂かれる恋が、悲しく切ない。アイルランドじゃなかったら、幸せになれたかもしれないのに。
 キャル役の俳優が、エイドリアン・ブロディにクリソツ!繊細でシャイなキャルのキャラが、ちょっと母性本能をくすぐる系で可愛いです。
 未亡人役のヘレン・ミレンは、この映画でカンヌ映画祭女優賞を獲得。
 TVシリーズの「第一容疑者」や、近年の「ゴスフォード・パーク」「カレンダー・ガールズ」など最近は、クールで哀愁ある渋い、貫禄ある英国の大女優って感じのミレンおばさまが、さすがに若い!内に鬱屈を抱える未亡人を、柔らかく演じていて、新鮮でした。でも、ボカシ入りの全裸シーン(ちょっと怖い)もあったりして、気合は入ってました。
 今年は、エミー賞主演女優賞を受賞したTV映画で、エリザベス1世↓
  
 ヴェネチア映画祭でも女優賞の大本命と下馬評の高い新作映画で、エリザベス2世!↓
 
 と、まさに女王さま女優なミレンおばさま。両作品とも、早く観たいなあ!

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2 コメント

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アイルランドという国は。。 (Cartouche)
2006-09-10 06:08:51
アイルランドものの好きな私ですが、これはまったく落としてました。素晴らしい風景と朴訥とした人々の住む国のはずなのにずっと続く宗教戦争と貧しい暮らし。勿体ない国です。あ。新作すごく評判いいですね。楽しみです。
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アイルランド慕情 (松たけ子)
2006-09-10 12:49:45
Cartoucheさん、こんにちは!&おかえりなさいませ~!

そうそう、ほんと勿体ない!あんなに素朴で美しい国なのに、宗教紛争と貧困が、暗い重い影を落としていて、つくづく日本に生まれて良かった、と思わざるを得ません。でもアイルランド、行ってみたいなあ。

祝!ヘレン・ミレン、ヴェネチア映画祭女優賞受賞!早くも来年のオスカーの呼び声も高く、ミレン旋風の予感♪楽しみですよね!
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