まつたけ秘帖

徒然なるままmy daily & cinema,TV drama,カープ日記

降魔が時

2019-07-28 | 韓国映画
 「サバハ」
 問題ある宗教団体を取材するパク牧師は、鹿野苑という新興宗教を探り始める。そんな中、女子中学生の他殺死体が発見され、容疑者である鹿野苑の信者が自殺する。事件の真相を追うパク牧師はやがて、想像を絶する闇の世界に足を踏み入れることになるが…
 おぞましい出生の悪鬼の子をめぐって、次々と起こる凶事…「オーメン」系のオカルト、鳥や犬、ムカデやヘビ、気象がコントロールされる超現象などスーパーナチュラル、主人公が探偵のように手がかりや聞きこみから犯人にたどりつくミステリー、などいろんな要素をブッ込んだ内容でした。面白かったのですが、どことなくTVドラマっぽいというか、エグい韓流ホラーやサイコものが好きな人には物足りないかも。血まみれ血しぶきとか、メッタ刺しメッタ打ち殺しといった、韓流おなじみのシーンはほとんどありません。

 悪鬼や邪教よりも私が戦慄したのは、韓国といえばのうら寂しい田舎や貧しい地域の暗く狭い路地。何か禍々しいものが潜んでいそうな、日本にはないおどろおどろしい闇深さを感じます。特にひと気のない夜道。街灯とか舗装の具合とか、ぜんぜん安心して歩けません。
 私はミステリー部分がいちばん好きです。意味不明でバラバラだったピースが集約されいく展開に、ああ!なるほど!そういうことか!と膝を打ちました。悪鬼の正体と鹿野苑の教祖の正体、真の悪をめぐる観客へのミスリードとドンデン返しも巧みでした。教典に隠された暗号とか、ちょっと「ダヴィンチ・コード」もどきでしたが。

 キリスト教と仏教の混在など、複雑で奇異な宗教問題も日本ではほとんど感じられない、韓国らしい混沌、異様さです。ヘロデ王の幼児虐殺をモチーフにしていますが、鹿園苑とその教祖のモデルは明らかにオ〇ムと麻▲彰◇です。マインドコントロールされた若い純真な信者が大量殺人を犯すという悲劇は、まんまあの邪教の犯罪。納屋に監禁されてる忌まわしい姿の悪鬼娘が、楳図かずお先生の赤ん坊少女タマミっぽいキャラで、おぞましくも哀れ。
 牧師探偵パク役のイ・ジョンジェが、相変わらずカッコよかった

 スマートで若々しい、けど若作りしてるのではなくて、大人の男の魅力も備えてるジョンジェ。カッコいいけどファッションが悪趣味、というのが韓流男優の定説ですが、ジョンジェは唯一といっていい例外。シンプルな黒いコートが、スラっとした長身に似合って素敵でした。かなり軽妙でコミカルなジョンジェの演技が可愛かったです。尼さん軍団から卵ぶつけられる(韓国人、これよくやってますよね~)ジョンジェが笑えた。でも、ジョンジェじゃなくてもいいような役でした。いっそ邪教側の役のほうが、ジョンジェの演技力とカリスマを活かせたのでは。それにしても。ジャーナリストみたいな仕事をしてる牧師さんっているんですね~。
   
 金髪の若い信者役パク・ジョンミンが、もっとタイプのイケメンだったら言うことなかったのですが。でも、たまにすごいイケメンに見えたり、不思議な顔してる俳優です。教祖の助手役で、中盤にユ・ジテが登場。彼がただの助手役なわけがないと思ってたら、やはり。意外な正体に驚かされます。▲原彰■がカッコよくなったみたいな風貌だったのは、意図的なのでしょうか。

 ↑ジョンジェ久々のTVドラマ「補佐官」観ようかな~。

コメント
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