まつたけ秘帖

徒然なるままmy daily & cinema,TV drama,カープ日記

ジハーディスト潜入取材!

2017-01-19 | フランス、ベルギー映画
 「メイド・イン・フランス パリ爆破計画」
 ジャーナリストのサムは、取材のためイスラムテログループに身分を偽って潜入。爆弾テロ計画を警察に密告し、サムはグループを抜けようとするが、警察はサムに組織の上層部を探るよう強制する。しだいにサムの身にも危険が迫り…
 この映画が公開される直前、奇しくもパリで同時多発テロが発生。あまりにもタイムリーすぎる内容のせいで公開が延期になってしまった、いわくつきの問題作です。
 確かに被害者や遺族にとっては、つらすぎる悲しすぎる映画かもしれません。でも、決して興味本位の話題性を狙った軽薄な作品ではなく、リアルな描写とシビアな目線で、パリのジハーディストたちに迫った真面目な映画です。
 怖いな~とつくづく思ったのは、テロリストたちが何食わぬ顔をして、善良な市民としてカフェやデパートで働きながら、社会に溶け込んでいたこと。私たちとは縁のない人たち、では決してないかもしれない恐怖。ひょっとしたら、同僚が?隣人が?いや、家族が?!…本当に、恐ろしい時代になったものです。

 テロリストたちが決して一枚岩ではなく、それぞれの信仰心にも落差があり、それが亀裂の原因となっていたのが興味深かったです。皆殺しも辞さない派と、一般市民は巻き込みたくない派。ガチガチの狂信者と、カッコいいからみたいなノリでやってるミーハー派。いずれにしても、自分たちと考え方が相容れない奴らは死んでいい、殺すべき、という考え方は、どうやっても理解することはできません。

 あんな素人に近い少人数の末端信者でも、大規模なテロは実行できる、という事実にも戦慄。志が高いわりには、能力と団結力に欠けていたせいで、どんどん綻んで瓦解、やがて悲惨極まりない破局にまっしぐら、が息詰まる緊迫感に満ちていて、なかなかサスペンスフルでした。若い黒人、アラブ系のテロリスト二人は、信仰心よりも政府への恨み、不満に突き動かされての仲間入りだったようだけど、もっと他に方法なかったのかな~と、無残に命を散らす彼らが痛ましくも虚しかったです。
 サム役は、大好きなボーギャルソン、マリク・ジディ

 マリくん、頭髪はかなりヤバくなってるけど、やっぱ童顔で可愛いですね~。おじさん臭くなく、今でも青年っぽい爽やかさが。実際にも半分アラブ人である(両親のどっちかが確かアルジェリア人)マリくんなので、この役はまさに適役。知的なので、ジャーナリスト役も似合う。イスラム風ファッシンも可愛かったです。幼い息子がいる役なのですが、その優しそうなパパっぷりもトレビアンでした。マリくんみたいなカッコカワイいパパ、いいですね~。

 白人なのにテロに加担してるイスラムおたくなクリストフ役は、「Five」でもアホ可愛かったフランソワ・シヴィル。こんなアホが仲間で、大丈夫なの~?と心配になってしまうクリストフのキャラ、コメディリリーフ的な役割を担ってて、いい感じで緊迫感を和らげてくれてます。黒人青年ドリス役のナシム・シ・アフメドが、すごい美男でした。セクシーな肉体美も披露してます。

 ↑1975年生まれだから、マリくんももう41歳か~。可愛いおじさんですよね~
コメント
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