まつたけ秘帖

徒然なるままmy daily & cinema,TV drama,カープ日記

アイルランドの夏⑦ 緑の墓碑銘

2016-01-27 | 旅行、トレッキング
 早朝、トリニティカレッジ周辺を散歩。テンプルバーは、夜の名残でゴミロード。生ゴミや缶、ガラス瓶のかけら、そしてゲロ、さらに血痕!夜の狂騒が目に浮かぶ光景に、朝の爽やかな気持ちも吹っ飛んでしまいました。清掃作業が大変そう。マックでカフェラテを買ってトリニティカレッジに戻る途中、足元に何やらうごめくものが。かがみこんで見てみると、げっ!?何じゃこりゃ!?巨大なナメクジ?!ヌメヌメした不気味な軟体生物が!あんなの初めて見ました。携帯もって出なかったので撮影できんかった。残念!
 その朝は、トリニティカレッジというかダブリン最大の見所のひとつである、有名なケルズの書を見学する。

 カレッジ内にあるカフェテリアで美味しいアイリッシュブレックファストを食べて、早めにケルズの書が納められているオールド・ライブラリーへ。早くもたくさんの人たちが並んでました。30分ほど待って、ようやく開館。冷暗で荘厳な雰囲気の、膨大な蔵書が圧巻の古い図書館。図書館の主要図書室であるロングルームは、「スター・ウォーズ」のジュダイ図書館のモデルになっているとか。

 ロングルームで見学できるケルズの書は、アイルランドの至宝と言われている古~い福音書です。豪華できめ細やかな装飾が興味深い。そんなお宝よりも、私が気になって仕方がなかったのが、アイルランドに来て初めて遭遇した日本人!5、6人ぐらいの中年女性のグループで、高価そうな装い、上品な口調の標準語から察するに、お金持ちの白金台、田園調布マダム。日本語なんか理解できない貧乏なアジア人観光客を装い、さりげなく奥様たちのおしゃべりを盗み聞きする私。みんなドラマ「THE TUDORS」にハマってたとか聞いて、わしもわしも~と割り込んでいきそうになった。リーダー格らしき初老の女性はどうやらダブリン在住らしく、マダムたちにケルズの書について説明してました。私もタダで日本語の説明が聞けてラッキー♪流暢な英語で図書館職員と談笑してるリーダー女性がカッコよかったです。アイルランド滞在中の日本人との邂逅は、これが最初で最後となりました。

 ↑トリニティカレッジの正門前にいた謎のギャルたち。快く撮影に応じてくれました
 館内のショップでケルズの書の絵葉書や、お土産用の可愛いトリニティカレッジマスコットの小熊のキーホルダー、エコバッグなど購入し、ダブリン街ブラ。またアヴォカに寄ってしまい、カープ応援にピッタリな可愛い赤のカットソーを買っちゃいました。
 午後に参加する予定の、ダブリン郊外にあるグレンダーロッホ半日観光ツアーのリコンファームのため、ネット予約してた旅行会社に寄ります。受付のお兄さんがイケメンな上に親切でした。でも…午後13時、集合場所であるモリー・マローン像前で待っていても、迎えが来ない。待てど暮らせど来ない。どーいうこと!?どうやら私と同じツアーに参加するアメリカ人らしき女性が、イライラした様子で携帯電話に向い怒鳴っている。その剣幕といい、ブリトニー・スピアーズが老化劣化したみたいな見た目といい、怖い…ので離れた場所で様子をうかがう私。

 14時半過ぎになってやっと、迎えが来ました。人の善さそうな陽気なおじさんに、さっきの怖そうなアメリカ人女性が噛みつく。おじさんはどこ吹く風で適当にあしらってます。そして、ツアー参加者の確認。私の名前がリストにない!?そんな!午前にわざわざ旅行会社でリコンファームしたばかりなのに!順番を待ってたあの怖い女性が、レシートは!とツッケンドンに私に言ってきました。レシートなんかもらってない(涙)。リコンファームの件を説明しようとすると、ガイドのおじさんが大丈夫大丈夫♪と、またテキトーに対処。無事?に私はバスに乗れたのですが…観光前なのに、もうどっと疲れが…
 総勢10人ぐらいの半日ツアー。ミニバスに乗り込んだ客は、ほとんどがアメリカ人で日本人は私だけ。2時間近くも遅れて出発するという、日本ではありえない事態ですが、ガイドのおじさんはいたってのんびりしてます。ガンガン猛スピードでバスはダブリンを離れ、鄙びた田舎へと向かいます。途中、トイレ休憩。でも、例の似非ブリちゃんを含めた猛牛のようなアメリカ人女性軍団に先んじらてしまいました。列の最後尾にオドオドと並ぶ私は、みすぼらしい独りぼっちのイエローモンキー。煙草プカプカ吸いながらブリちゃんたちは、私に冷たい蔑みの視線をくれるのでした。怖かったよ~

 ダブリンから約2時間、美しい湖や森林を通り、グレンダーロッホに到着。ひっそりと清涼な雰囲気の、古い教会跡がある谷間の集落です。1時間の自由時間、やっと独りになれた安心感、開放感が心を充たします。古めかしい石積みの門をくぐり、長い時間を経てゆっくりと朽ちていった修道院の跡や鐘楼だったというランドタワーなど見て回ります。観光客は多いけど、場所柄なのかすごく静かで心落ち着きます。洋画でよく見る古い墓地が、ちょっと怖い。火葬の日本と違い土葬だから、足元に無数の朽ち果てた白骨が埋まってるのかと思うと…

 1時間後、バスはダブリンへの帰路につきます。途中、ドーキーという小さな港町を通る。この町には、エンヤやU2のボノなどアイルランドの有名人、クリントン元大統領やピアース・ブロスナンの屋敷や別荘があるのだとか。
 19時過ぎにダブリンに到着。アイルランド最後の夜、もうアレコレ欲張らず、ゆっくり過ごそう。海外に行ったら、その国の映画館にも行ってみたい。オコンネルストリートにある映画館に寄ってみました。「コードネーム UNCLE」が上映中。人が多かったので、怖くなって観るのはやめました。テンプルバーへ向かいます。お腹がすいたので、地球の歩き方にも載ってるオシェイズというアイルランド料理店に入りました。

 夜のとばりが下りて、すっかり酔っ払い横丁と化してる外の喧騒とは違い、静かでこじんまりした入りやすい店でした。アイリッシュシチューとギネスビールのハーフパイントを注文。お肉はちょっと堅めでしたが、ボリュームがあって美味しかったです。
 トリニティカレッジに戻り、いよいよ明日は帰国!と、アイルランドへの名残よりも日本恋しの気持ちで帰り支度をし、ベッドに潜り込んで眠りについたのでした…
 次回はいよいよ最終回だっちゅーの♪
 to be continued…
コメント (7)
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