まつたけ秘帖

徒然なるままmy daily & cinema,TV drama,カープ日記

夜明けを呼ぶ男たち

2014-12-12 | 日本映画
 こないだ試写会に行ってきたのですが。私のシネマライフ史上最悪な鑑賞環境でした!マナーの悪い客に包囲されてしまったのです
 まず、背後の席の爺さん。映画が始まって五分足らずで、グォ~!!と大イビキ。帰って寝ろよ~。そして、私の隣の隣のガキンチョ。飲食する音と臭いがハンパない。家で食えよ~。注意しない親もどうかしてる。さらに、私の前の席のおねえちゃん。映画もろくに観ず、スマホいじってばっか。光が鬱陶しい!こんな時にまで何で携帯を…
 とまあ、何しに来たの?!ここは映画館だよ!静かに映画観ようよ!と懇願したくなる人たち。どれか一人なら遭遇することもよくありますが、一気に3パターンはさすがに稀。悪びれない自分本位なフリーダムすぎる行為は、ある意味うらやましくもなります。私は今後も、人の目を気にしてチマチマと狭く浅く生きていくのでしょうね…

 「バンクーバーの朝日」
 20世初頭のカナダ、バンクーバー。新天地を求めて渡ってきた日系人たちは、白人の差別や不平等で過酷な労働に苦しみながら生きていた。彼らが夢と希望を託して結成した日系人野球団・朝日軍は、白人との力の差やアンフェアな審判で連敗を脱することができず、キャプテンのレジーやエースのロイら選手たちも、それぞれに苦労や悩みを抱えていたが…
 「ぼくたちの家族」で共演した妻夫木聡と池松壮亮が、早くも再共演した作品。試写会でいち早く観ることができて、マンモスラッキー演出も「ぼくたちの家族」と同じ石井裕也監督です。
 内容じたいは…うう~ん、とってもいい話、それだけ、という印象ですかねえ。ご存じの通り私、冷血人間なのでいい話が苦手なんですわ。いい話より悪い話のほうが面白いので好きです。カナダに移住した日本人たちが、理不尽な差別や偏見、劣悪な環境に苦しみながらも、懸命に不屈に生きる姿を描いた作品なのですが、映画ではそんなに大変そうに見えなかったんですよね~。実際の当時の移住者たちが、過酷で悲惨な毎日を生き抜いたことは周知の事実ですが、貧困も労働も白人からの仕打ちも、かなりユルくてヌルい描写だったせいか、これならもっとひどい生活してる人たち今の日本にいるよ、と思ってしまいました。レジーたちも、一見ボロを着ているようで、よく見るといつも服は仕立ておろしみたいにキレイで、汚れ綻びひとつないし。日系人の艱難辛苦をもっとリアルに描いたほうが、感動も大きく深まったはずです。

 感動のエピドードやシーンが、かなりベタというか使い古されてる感じ。レジー家の家族愛とか、どっかで見たことがあるようなありふれたものだったし、白人が日系人に歩み寄る過程とか、仲が悪かった中学生同士が仲直りしたレベル。白人のアジア人蔑視が、あれぐらいで緩むわけないし。レジーの妹が集会で歌うシーンとか、あれ感動するべきシーンなんだろうけど…何するのかと思ったら、歌うのかよこの小娘、こんなシーン要らんだろ、とか白けてしまった私って、ほんと冷血人間…とにかく、悪い人なんかホントはいないんだよ、なヌルい空気が私にはムズ痒かったです。でもまあ、「それでも夜は明ける」チックに、極悪非道な白人に虐げられる日系人とか、見たくないでけどね…
 いつの時代も、どこにいても日本人はその日本人らしい美徳を失わないのですね。この映画の日系人たちも、勤勉で忍耐強く頭が良く、調和を重んじ誇り高い、という典型的な日本人らしさにあふれてました。でもほんと、日本人って働き者ですよね。ヨーロッパ映画や韓流ドラマとか観てて思うけど、ほんと怠け者だし利己的だもんね外人って。日本が経済大国になったのも、この映画を観ると納得できます。
 野球はやっぱ、夢と希望を与えてくれるスポーツですよね~。でもメインの野球シーンが、かなりショボいんです。プロ野球を見慣れてる人には、草野球にしか見えないかも。やっぱプロ野球選手の野球とは、ぜんぜん違いますね~。バントと盗塁で点を獲る朝日軍、まあ仕方ないとはいえセコい勝ち方です。野球はやっぱ、カキーン!とかスーパーキャッチ!がいい。
 ブッキーと壮亮くんの再共演が私にとって最大唯一の見もの、見どころな映画でした。

 レジー役のブッキー、ほんといくつになっても可愛いですよね~。後ろ姿とか遠くから見た彼、ほとんど子ども。野球シーンも、中学生の部活みたいです。演技も役も「ぼくたちの家族」とほぼ同じ。家族や生活の問題に独りで悩んでる青年を、シャイな感じで一生懸命に演じてます。でもこんな役は、ぶっちゃけ某事務所のタレントでもできる役。ブッキーにしかできない魅力的な役は、他にもあるはず。いつまでも無駄遣いされてばかりなブッキーに、長年のファンとしてはもどかしさを覚えてしまいます。

 そして、フランク役の壮亮くん。最近はドヨヨ~ンな役ばかりやらされてる彼が、久々に明るい可愛い役。こういう役だって、完璧にチャーミングに演じることができるんですよ彼は!その屈託のない笑顔に、ファンは胸キュン注意報!ホテルのベルボーイ姿、めっちゃキュート!あんなボーイいたら、チップはずむわ、いや、部屋に連れ込むわ。助演に徹し、出しゃばらない存在感も好感。でも、喋り方がまだMOZUしてたのが気になる。今にも女装してカナダ人ぶっ殺しまくりそうで怖かった、という冗談はサテオキ。ボソボソ声も素敵ですが、はきはき明るい口調もできるはずなので、次回に期待。

 ブッキーと壮亮くんのツーショット、もう兄弟にしか見えないほどナニゲに似てるんですよね~。二人の仲良しシーン、もっと欲しかったかも。
 残りの朝日軍メンバーは、ワタシ的にはかなりビミョー…ロイ役の亀梨和也が…東八郎の息子東MAXにしか見えなくて…いや、東MAXのほうが男前かも…ビジュアルバンドのメンバーがメイク落としたらこうなる、みたな感じの顔というか…眉毛がバッチリ整いすぎというか…ボール投げる時の必要以上なナルシー表情が、ちょっと気持ち悪かった。上地祐輔が、びっくりするほどオッサンに見えた。メンバー内で違和感を漂よわすほどに。勝地涼は、演技も顔もクドい。コーチ役の鶴見辰吾さんがイケてました。レジーの父役、佐藤浩市もオーバーで不自然な演技。破天荒なろくでなしキャラも中途半端だったし。いっそ外道なクソおやじにして、吉田鋼太郎に演じてほしかったかも。あと、記者役の徳井優さん、ほぼ懐かしの引っ越しのサカイのCM調で笑えた。
 朝日軍のメンバー、チビな俳優ばかり集めたのは故意?カナダ人との体格の差がスゴくて、朝日軍が貧相に見えた。まるで大人と子ども。亀梨が松坂桃李、上地が青柳翔、勝地が福士誠治だったらなぁ~と理想妄想キャストしちゃったけど、彼らは長身なのでダメですね。
 この映画、せっかくほぼ男祭りな女っけの薄さなのに、男同士の友情も薄口で残念。腐が萌えるほど、もっと熱く濃ゆいぶつかりあいや絡みがあればよかったのに。女教師役で宮崎あおいが出てましたが、いてもいなくてもいい役。出しゃばってこなかったので安心。でも、完成試写会か何かの場では、さも私がヒロインみたいな顔でちゃっかりメインキャストに混じって挨拶してましたね。ちょい役だし!どーでもいい役だしー!娼婦役の本上まなみが、すっかりシワが目立つおばさんになってたのは、ちょっとショックでした。

 ↑今度はもっと二人の個性と魅力を活かした映画で共演してほしいです
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする