まつたけ秘帖

徒然なるままmy daily & cinema,TV drama,カープ日記

鬱森に迷いこんで

2012-03-30 | 日本映画
 お松の第6回邦画男前映画祭⑤
 「ノルウェイの森」
 大ベストセラーとなった村上春樹の小説の映画化。
 大学生のワタナベは、自殺した親友キヅキの恋人だった直子と再会し、彼女と恋に落ちる。キヅキと強く愛し合いながらも彼と性的な関係を結べなかった直子は、そのことで精神を病み療養所へ…
 あの~えっと、その~…はい、潔く認めます。ワケワカメでした私の低い知能と感性では、登場人物たちの言動や心情を理解できませんでしたなんかもう、はぁ?とか、気持ち悪い、とか、ダルい…とかしか思えなかった。やっぱ私には、高尚な難しいブンガクものは向いてませんわ。こういう映画や小説に、感動したり共鳴したりできる人間になりたいです。それにしても。頭の良い人たちって、普段あんな会話したり考え方してるんですね。疲れますね。あんなに鬱々しい青春を送ならきゃならないのなら、頭が悪いほうが楽でいいや、とさえ思いました。
 ブンガク的な関係や会話は理解不可能。私から見たら、単なるヤリチン&ヤリマンじゃん!なワタナベたち。『濡れないの』だの『開かないの』だの、真剣な顔で言ってる直子とかの台詞、ギャグ?下ネタ?使えるかも♪と笑えちゃったよ。
 情緒不安定や自殺(死にすぎ)を、何だか美しく描こうとしている感じがして、おゲージュツ志向が鼻についた。私には、苦悩や障害を抱えていても、強く明るく生きようとする人たちのほうが美しく見えます。

 直子が気持ち悪すぎて…性的な苦しみを負い心のコワレたイタいヒロインってのは、男がハマってしまう危険な魅力を発することができるはずなのに。フランス映画とかでは、よく見るパターン。でも直子は、ただもう不気味なだけ。これはもう、演じている菊池凛子のせいでしょう。「バベル」の時と同じ。ヤバいマズいと思いつつ、男が放っておけなくなってしまう美しい痛ましさとか妖しさが微塵もなかった。ラブシーンの彼女の喘ぎ顔&声、ほんとキモかった。顔が怖い&デカすぎ。それに似合わぬブリっコ声が、不気味さに拍車をかけてた。
 ワタナベ役の松山ケンイチもなあ。平清盛の彼はカッコカワイイんだけど。この映画の彼は、ウドの大木的というか…見た目も喋り方も、悩める文学青年というより、内気な農家の息子。すべてが素朴すぎるのかな。色気がゼロなのも残念。ラブシーンも、期待してたほど大胆じゃなかった、いや、人気若手俳優にしては大胆だったのかもしれないけど、ケンイチくんに色気がないので(まあ、文学青年に色気があるほうが変ですが)何やってもエロくないんだよなあ。相手がリン子だし。二人とも顔がデカくて、合体シーンでの顔アップは、画面からハミ出そうで笑えた。
 ワタナベは他人とは距離を置いてるのに、常に誰かが寄ってくる。確かにワタナベみたいな人、いますよね。誘蛾灯とか水銀灯みたいな人。勝手に人がブンブン寄ってきて、勝手に騒がれて、めんどくさい目に遭う。羨ましいような、気の毒な人。私の近くにもいます。ワタナベの台詞『無理して友だちは作らない。ガッカリするだけだから』は、そんな“はからずも人を引き寄せてしまう人”の傲慢さや倦怠、悲哀を表しているようで、ちょっと印象的でした。
 キヅキ役は、ここにも出てた!な高良健吾。冒頭、チョコっとしか出ませんが、学生服姿が端正な顔に似合って可愛かったです。
 60年代の学生運動のシーンや、大学生ファッションとかは面白く見ることができました。ワタナベは学生運動とはクールに距離を置いてたけど、私だったら同じように関わらずに過ごせたかは自信がない。思想的には理解も共鳴もできないけど、もし好きな男が運動家だったりしたら、利用されて性欲処理&パシリ扱いにはされてそう(笑)。
 
 
 
コメント (2)
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