まつお文庫からのご案内

仙台市若林区中倉3-16-8にある家庭文庫です。水・土の3時~6時(第2土は休み)どなたでも利用できます(無料)。

寄贈本 8月

2018-08-22 14:59:53 | 文庫のページ
ありがとうございます。
①『春に生まれたような ―大分・北九州・京都などから―』 八城道子 コールサック社 2015
北九州市の鈴木美枝子さんからいただきました。
 鈴木さんは九州に移られてもう15年ぐらいになります。鈴木さんはお仲間と月1回、詩や絵本、語り、ブックトークを楽しむ会を開いています。そのお仲間のお一人が詩人の八城道子さんです。
 言葉を見つめ、詩を紡ぎ、もがき、考え、感じる。八城さんの豊かな感性あふれるエッセイ集です。74編のエッセイと18編の詩で構成されています。朝日新聞の「声」「ひととき」欄にも投稿し、掲載されたエッセイも収録。
②詩集『春の雨音』 八城道子 コールサック社 2018.4
「これは八城さんから松尾さんへ」と言って、鈴木さんがエッセイ集と一緒に送ってくれました。エッセイ集に収めてあった詩も含め、44編の詩が収録。若い時からずっと書き続けてきた詩。すごい詩集です。ひとつだけ紹介します。
 「宙(そら)を翔ける」という詩。19歳で亡くなった青年が両親に語る詩です。息子さんを亡くされたご両親の悲しみを想い、書いた詩だそうです。この詩によってどんなにかご両親の悲しみは鎮められ、救われただろうと思い、八城さんのやさしさと詩の力に深く心が揺れ、涙があふれました。八城さんには数年前、九州に伺ったとき、一度、お目にかかっています。
③『デニムさん -気仙沼・オイカワデニムが作る復興のジーンズ-』 今関信子 佼成出版社 2018.7
滋賀県守山市の今関信子さんからいただきました。
 今関さんは震災後、気仙沼を訪れ、大島と気仙沼を結ぶ連絡船の船長菅原進さんを取材し、『津波をこえたひまわりさん』を、2012年に出版しています。2016年秋、再度気仙沼を訪れ、「オイカワデニム」の2代目社長及川秀子さんを取材します。気仙沼では親しみを込めて「デニムさん」と呼ばれている「オイカワデニム」の創業(1981年)から現在までを感動的に描いたノンフィクションです。
 3月11日の震災では自宅も倉庫も流されますが、工場は高台にあったため無事でした。工場は民間第1号の避難所になりました。気仙沼の復興の音をこの工場から聞きたいという人々におされて、4月4日にはミシンを動かします。秀子さんの、人間としての懐の大きさに、とにかく感動をもらえます。そんな秀子さんや息子さん、気仙沼の漁師さんたちを描く今関さんの文章も素晴らしいのです。
④『みちのく妖怪ツアー』
         佐々木ひとみ・野泉マヤ・堀米薫 作 東京モノノケ絵 新日本出版社 2018.8
角田市の堀米薫さんからいただきました。
 宮城の、東北の児童文学を盛り上げようと、宮城で活躍する児童文学者3人が一緒に企画・執筆して出版社に持ち込んで、出来上がった本です。
 東北の妖怪に出会うバスの旅に参加した子どもたちの中で、安達ケ原の鬼婆(福島)や座敷童子(岩手)など、東北6県の妖怪に本当に出会った6人の子どもたちの6つの怖い物語です。ひとり2話ずつ書いています。お話の後に作者名が記されていますが、それがなければおひとりの方が書いた作品と思うぐらい、見事なチームプレーを感じる作品です。
 この作品の出版を記念して、8月25日(土)1時から金港堂で「みちのく妖怪おはなし会&妖怪クイズ大会」というイベントがあります。もちろん作者の堀米さんたち3人も参加します。この作品ができるまでの興味深いお話も聞けそうです。お時間のある方はどうぞご参加ください。
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