日毎の糧

聖書全巻を朝ごとに1章づつ通読し、学び、黙想しそこから与えられた霊想録である。

二度とダビデを追跡しなかった  

2018-04-20 | Weblog
 サムエル記上27章 

  4節「ダビデがガトに逃げたと聞いたサウルは、二度とダビデを追跡しなかった」(新共同訳)

  1節「ダビデは心に思った。『このままではいつかサウルの手にかかるにちがいない。ペリシテの地に逃れるほかはない。そうすればサウルは、イスラエル全域でわたしを捜すことを断念するだろう。こうしてわたしは彼の手から逃れることができる』」。イスラエル全域で捜すのを断念させる為にダビデは家族と兵士六百人を連れてガトのアキシュの許に逃れた(2節)。彼はイズレエルのアヒノアムとナバルの妻であったアビガイルの二人の妻を連れ、兵士らも家族と共に身を寄せた。このことを聞いたサウルは、二度とダビデを追跡しなかった(3~4節)。かつて一人狂人を振舞って訪ねた時とは情況が変わっている(21章11~16節)。彼はアキシュから厚意を得てツィクラグを与えられた。ペリシテとイスラエルの国境と思われる。ダビデがサウルに嫌われて逃亡していることを知っていたからであろう。滞在期間は一年と四カ月であった(5~7節)。彼はシュルからエジプトの地に至る地方のゲシュル人、ゲゼル人、アマレク人を襲い、羊、牛、ろば、らくだ、衣類を奪い、男も女も生かしておかなかった。アキシュはダビデに「今日はどこを襲ったか」と尋ねると、彼は、ユダのネゲブであるとか、エラフメエル人のネゲブだ、カイン人のネゲブだと答え、偽りの報告をした(8~10節)。ここでは、ネゲブは固有名詞でなく乾燥地を指す。
  11節「ダビデは、男も女も生かしてガトに引いて来ることはなかった。「彼らが我々について、『ダビデがこうした』と通報しないようにと考えたからである」。ダビデがペリシテの地に住む間、これがダビデの策であった」。ここでも姑息な考え方をする。アキシュは彼の偽りを信じて、「彼は自分の民イスラエルにすっかり嫌われたから、いつまでもわたしの僕でいるだろう」と思っていたのである。主による命の保障を確信するダビデであるが、しかしアキシュの許におれば安全だという人間的恐れから取った言動に彼のもう一つの面が出ている。ダビデに対する評価の分かれるところだが、ヤコブ物語にあるヤコブと同じである。

  イエスの弟子ペトロも同じ人間的弱さがあった。この保身術は癒しがたい罪であり、不断に(日々に)これを主に明け渡さねばならない。「日々、自分の十字架を負って従う」とはこのことである(ルカ福音書9章23節)


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