日毎の糧

聖書全巻を朝ごとに1章づつ通読し、学び、黙想しそこから与えられた霊想録である。

人々の前で変わったふるまいをした

2018-04-10 | Weblog
 サムエル記上21章 

 14節「そこで彼は、人々の前で変わったふるまいをした。彼らに捕らえられると、気が狂ったのだと見せかけ、ひげによだれを垂らしたり、城門の扉をかきむしったりした。」(新共同訳)

  1節「ダビデは立ち去り、ヨナタンは町に戻った」。小見出し「アヒメレクのもとでのダビデ」。ここからダビデの逃避行が始まる。ここでは勇姿のダビデではなく、彼の弱さが一面に出てくる。彼はヨナタンと別れて単身ノブの地に逃れた(2節)。ノブは祭司エリの子孫が住んでいる町であったが、そこで祭司アヒメレクに会った。何故一人なのかと尋ねられたが、ダビデは真相を告げないで、王の命令である場所に行って従者たちと落ち合うことになっていると答えた(3節)。彼はアヒメレクに糧食パン5個を求めたが、普通のパンはなく、供えのパンを焼いて取り換える日だったので、その聖別された供えのパンを頂いた(4~7節)。この事柄は新約聖書で安息日問題として取り上げられている(マルコ福音書2章25~26節)。
  8節「そこにはその日、サウルの家臣の一人が主の御前にとどめられていた。名をドエグというエドム人で、サウルに属する牧者のつわものであった」。この時サウルの家臣ドエグがいる事を知りながら、見過ごしてしまう失敗をした。これは後悔することになる(22章22節see)。更に急な用件だったので剣も武器も持って来なかった為、アヒメレクに武器を求めた。祭司はゴリアテの首をはねた剣があるといったので、それを手に入れる(9~10節)。剣を手にしなければならない人間的な弱さが伺える。
 11節「ダビデは立ってその日のうちにサウルから逃れ、ガトの王アキシュのもとに来た」。この時ガドの王アキシュの家臣が、この男はかの地の王ダビデではないかと言った。『サウルは千、ダビデは万を討った』という噂が伝わっていることを耳にした彼は心にかかり、王アキシュを大変恐れ、狂態を演じて敵意のないことを示さねばならなかった(12~13節)。
 14節「そこで彼は、人々の前で変わったふるまいをした。彼らに捕らえられると、気が狂ったのだと見せかけ、ひげによだれを垂らしたり、城門の扉をかきむしったりした」。サウルの狂った有様を見てきたダビデのこの演出は、真に哀れである。アキシュは、彼の狂った様をみて家臣に、何故連れて来たのかと咎めている(14~16節)。この時の苦境を取り上げた詩34篇(アルファベットによる詩)がある。これは後代の作品で、ダビデの作ではない。アキシュでなく、アビメレクの前で狂気の人を装い、追放された時~となっている。この詩人はその心境を「助けを求める叫びを聞き、苦難から常に彼らを助け出される。主は打ち砕かれた心に近くいます」と歌っている(18~19節)
  キリスト者も弱さの只中で主を呼ぶ者である「わたしの恵みはあなたに十分である。力は弱さの中でこそ十分に発揮されるのだ」と言われました。だから、キリストの力がわたしの内に宿るように、むしろ大いに喜んで自分の弱さを誇りましょう。(コリント第二の手紙12章9節)。

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