イレグイ号クロニクル Ⅱ

魚釣りの記録と読書の記録を綴ります。

「ウニはすごい バッタもすごい - デザインの生物学」読了

2019年04月15日 | 2019読書
本川達雄 「ウニはすごい バッタもすごい - デザインの生物学」読了

読み終わって奥付をみてみると、この本の著者は、「生物学的文明論」の著者であった。あまり堅苦しくない文章の書き方は一般人向けで読みやすいがどうもすぐに眠くなって読み切るのにかなり長い日数がかかってしまった。

無脊椎動物のすごさを礼賛しているのだが、確かにその体の構造や生きるための戦略について、どうして自然にこんなものが出来上がってきたのかということに驚く。

クラゲの刺胞は管状の構造がコン〇ームのようにめくれながら150気圧の力で発射されるそうだ。そんな精密で強力な構造が0.02㎜の中に納まっている。
また、昆虫の外殻はクチクラという物質で、それがベニヤ板のように繊維の方向が直角に交わって積層された構造で強化されているそうだ。おまけに関節はそのクチクラをちょっとだけ柔らかくして動きやすくしている。
まだまだある。巻貝は対数関数を使った比率で体を大きくしてゆき、ウニやヒトデの体が五角形なのは、その先祖であるウミユリがエサとなる海中の浮遊物を捕まえるとき、どの方向からも効率的に捕まえられるのが五角形の放射状に腕を伸ばす時なのだそだ。これなんか、幾何学の応用だ。
ハエが毎秒100回以上羽ばたけるのは筋肉では疲れるのでバネのような構造が備わっているからだそうだが、これは物理学の知識が必要だ。

まさしくこの本のタイトルのとおり、この世に存在している生物はすべて「すごい」。
こういうものがどうして自然に生まれて進化してきたのか。それが不思議でならない。多分、人間がどれだけ様々な謎を解けたとしてもこれだけは解くことができないのではないだろうか。
最初から最後まで驚きの連続の本であった。



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