イレグイ号クロニクル Ⅱ

魚釣りの記録と読書の記録を綴ります。

「おなかがすいたハラペコだ。④月夜にはねるフライパン」読了

2024年09月21日 | 2024読書
椎名誠 「おなかがすいたハラペコだ。④月夜にはねるフライパン」読了

椎名誠のシリーズもののエッセイはシリーズ全部読んでいなくてもその中の一冊は大概読んでいると思ったが、このシリーズは全然読んでいなかった。これはその最新版だ。
この本のよると、2021年9月現在で295冊の本を出版しているそうだ。これだけたくさんの本を執筆しているというのはすごい。こんなにたくさんの本が出版されているとしたら、椎名誠の本はかなり読んできたがそれでも五分の一も読んでいないかもしれない。

なんだか意味の分からない本ばかり読んでいたのでちょっと箸休めのつもりで借りてみたのがこの本だ。テーマは「食」にまつわるあれこれというようなものになっている。「食」といっても範囲はもっと狭くて椎名誠が日常の食生活のあれこれを書いている。

驚いたのはこのエッセイが連載されているのが、「女性のひろば」という日本共産党中央委員会が発行している雑誌だということだ。共産党でこのエッセイか~。という内容だ。どう考えても昭和軽薄体と共産主義は合わない気がする。合わないのを承知で共産主義のイメージアップに使っているというところなのだろうか・・。
残念だったのは挿絵が沢野ひとしではなかったことだ。椎名誠のエッセイにはやっぱり沢野ひとしがよく似合う。

椎名誠の食生活にはやたらとソーメンとごはんが出てくる。たしかにソーメンとごはんは美味しい。その前にお酒のほうが美味しいのと太るのが怖いのでごはんを食べる機会は減ったがそれでもごはんは美味しい。ソーメンも夏の暑い日のお昼にはこれしかないと思える。我が家はやたらと焼きそばが出てくるが・・。

9月に入ってお米が不足しているというニュースが駆けめぐり、和歌山でもそのとおりでスーパーマーケットの棚から米が消えていた。



マスクといいトイレットペーパーといい、日本人は不足しているというとそれに拍車をかけて買い占めをする民族のようだが、我が家でもやはりお米飢饉がおこりそうになったようだ。そんなとき、奥さんの妹が義父の山形の実家に緊急連絡をしたら即30キロのお米が送られてきた。あるところにはあるのである。



これには助かったのだが、もっといいことに、この山形のお米がすこぶる美味しい。毎年新米の季節にはおすそ分けをもらうので美味しいのは証明済みなのでいまさら驚くものでもないのだが、我が家は飢饉を飛び越えて贅沢な食卓にワープしてしまったのである。
こんなことならしょっちゅうコメ不足が発生してそのつど送ってもらったら我が家は天国になるのじゃないかとエッセイの感想とはまったく関係なく不遜なことを考えてしまったのである。

朝日新聞の土曜日の別誌に月1回、昭和軽薄体のもう一方の雄である東海林さだおのエッセイが連載されている。最近はどうもこういう文章が煩わしくなってきた。これも歳のせいなのかな~と思ったりする。
だからこのシリーズも遡って読む気にはならない。椎名誠はもっとしっとりとした文章も書くのだからそういう作品を世に出してほしいと思う。

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