イレグイ号クロニクル Ⅱ

魚釣りの記録と読書の記録を綴ります。

「ヨシダ、裸でアフリカをゆく」読了

2018年06月13日 | 2018読書
ヨシダナギ 「ヨシダ、裸でアフリカをゆく」読了

著者は写真家なのであるけれども、どうしてこの写真家の名前を知ったかというと、広島県に住む同じ業界で働く友人が時折送ってくれる資料のなかに、東京でのこの人の展覧会についてのレポートがあった。
ネットでどんな写真家なのだろうと調べてみたら、プロフィールはこんな感じで出ていた。

1986年生まれ、フォトグラファー。
幼少期からアフリカ人へ強烈な憧れを抱き「 大きくなったら彼らのような姿になれる 」と信じて生きていたが、
自分は日本人だという現実を10歳で両親に突きつけられ、挫折。
その後、独学で写真を学び、2009年より単身アフリカへ。
アフリカをはじめとする世界中の少数民族を撮影、発表。
その唯一無二の色彩と生き方が評価され、TVや雑誌などメディアに多数出演。

そして、作品を見てみると、これはかなり衝撃的というか、美しすぎると思える写真であった。
プロフィールのとおり、アフリカの原住民の衣装をまとった人々の写真がほとんどであるのだが、そのカラフルさと威厳に満ちたようなたたずまいに圧倒されてしまいそうだ。
このブログをご覧いただいている方もぜひ、一度ネットで作品を見ていただきたい。

そして、この著書はそんな生き方をスタートした直後の物語が中心になっている。読み始める前はかなりストイックな内容を予想していたのではあるけれどもそれとは正反対で、おかしなガイドとの軋轢や現地での旅程のドタバタを面白く書いている。しかし、その中にはアフリカが抱えている貧困や人種差別の問題がところどころに差し込まれているのが現実的である。
そんな様々な問題を抱えながらもそれぞれの国の人々はそんなかけらも見せずに幸せそうに生きている。著者はそんな姿をみてますますアフリカの人々が好きになっていくようだ。
「何もないところから新しい目標や楽しみを見つけることは難しいかもしれないけれど、それができるようになったらさらに人生を楽しめると思わないかい?日本という国はアフリカと違って豊かだし、すばらしい技術を持っている人々だと思う。だけど、豊かすぎるがゆえに、今の日本人は何もない中で楽しさを見つけることが苦手になっていると思うんだ。」という言葉には確かにうならせられるところがある。

そして初めてアフリカを訪ねてから3年目、かねてから考えていた、「アフリカの少数民族と仲よくなるには“同じ格好をすれば必ず仲よくなれる”」という根拠のない自信を実行に移すのだ。確かに最初の頃の写真の人々の目には何か生気というものが感じられないような気がするけれどもそれ以降の人々の表情は生き生きしているような気がする。

たくさんのモノに溢れ、囲まれていて、一見幸福そうに見えるこの国であるけれども、満員電車の中でA.T.フィールド全開で死んだイワシのような目でスマホの画面に食い入るような生活がはたして幸福なのであろうかと思わせられるのだ。僕はガラケーしか持っていないので画面に食い入ることさえもできないのであるけれども・・。

イッテQを見ていると、かの地の原住民でもスマホを持っていたりして以外と現代的な生活をやっていて、民族衣装や写真を撮らせるのも仕事としてやっているというのが現実だそうだが、筆者も当初はガイドを伴っての取材旅行であったことを考えるとどこまでがリアルな話かどうかというのは疑問が残るけれども、この著書に出てくる人々の幸せとは何ぞやという考え方はきっとリアルであると思うのだ。


しかし、著者はあまりにも美人だ、グラビアアイドルとしての経歴もあるその美人が、「仲よくなってから脱ぐんじゃない。私は仲よくなるために脱ぐんだ。」と言い切って原住民の中に入ってゆく。
その時には、あぁ、僕も原住民になりたいと思ってしまうのは邪まな心を持っているわけではないのだ・・・。



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