イレグイ号クロニクル Ⅱ

魚釣りの記録と読書の記録を綴ります。

「自分の体で実験したい―命がけの科学者列伝」読了

2018年08月10日 | 2018読書
レスリー デンディ、メル ボーリング/著 梶山 あゆみ/訳 「自分の体で実験したい―命がけの科学者列伝」読了

なんだか今期の朝の連ドラの週別タイトルのようだが、自分の体を実験台にして医学や科学の発展に貢献した人々の物語だ。
時代は1700年代から1980年代まで。今では倫理的には絶対許されることでないだろうし、iPS細胞を使って実験するところだろう。
木の筒の中に食べ物を入れて飲み込み消化の実験をした人、自分に黄熱病のウイルスを埋め込んだ人。人はどこまでの暑さに耐えられるかとサウナに入った人。カテーテルを自分で自分の血管の中に入れた人。など10人の挑戦者が紹介されている。
他人には危険すぎて頼めないから自分でやったという、わからないでもない動機だが、その過程で死んでしまった人、死を免れても後遺症に悩んだ人もいる。そうしてまで医学や科学に貢献したいという熱意と義務感というのがすごい。

こういう積み重ねの果てに今の快適な生活や長い寿命があるのだから、こういう人たちを向こう見ずで無謀な人たちと笑うことはできない。
そういえば、はるか海を渡って日本や太平洋の島々に渡っていった古代の人々、その生物が食べられるかどうかを身をもって試しながら食材の幅を広げていった人々。昔から人間は自分の体を実験台にしてきた。そう思うと、これも本能のようなものかもしれないとふと思うのである。
僕はそんな本能を失くしてしまって、よくやっても昨日食べたとうがらしがお尻を通過したときに、おぉ!と感動するくらいだ。

その他紹介されている人の中には人はどれだけの重力に耐えられるかと時速1000キロの乗り物に乗った人や、時間のわからない世界で人間の生理はどうなるのかと4ヶ月間真っ暗な洞窟で生活した人がいた。それほど遠くない将来、人間が宇宙を旅するための実験であったようだが、今でも国際宇宙ステーションでは命がけではないのだろうか、飛行士が自ら実験台になって様々なことを調べているそうだ。
人間の探究心とはどこまで深いのか、そして人間はどこまで行こうとしているのかという果てしなさを実感する1冊であった。
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