〔トレーニング5〕
次の文章を読んでみてください。
中学2年生の啓太は、1年生のときから、いつもまじめに教室の掃除当番をしていました。
それは、先生もクラスメイトのだれもが認めていました。
ところが、5月になってから、新しく班が変わると、
他の新しい班員は掃除にはあまり協力的にしてくれませんでした。
さすがの啓太も、だんだん不満がたまってきました。
それでも「そのうち、みんなも協力してくれるかもしれない」
と思い黙って黙々と掃除をしていました。
ある日、啓太が掃除をていると、ほうきで遊ぶだけで、
ろくに掃除をしていなかった同じ班の義夫が、
啓太の目の前にゴミ箱を、ドスンと置き、
「啓太、これも、持っていってくれっ」と言いました。
啓太は、それを聞いて、「今まで自分は一生懸命やったのに」
と思い、遊んでいた義夫に、
さらにゴミ捨てまでしてくるように言われて、頭にきてしまいました。
そして、とうとう、「いいかげんにしろ!ゴミぐらい、お前が持っていけ!」と、怒鳴ってしまいました。
今まで、温厚でおとなしいと思っていた啓太に怒鳴られて義夫は、驚いて
「なんだよ、偉そうに、今までお前黙ってしてたじゃないか!」と義夫も怒鳴り返しました。
まわりのみんなもびっくりして
「啓太、キレたら、怖いなぁ」
「あいつ、おとなしそうで本当は強いやつかも?」
とうわさが広まりました。
怒鳴ってしまった啓太は家に帰って後悔し、その夜、眠れませんでした。
さて、啓太はどういう言い方をしたらよかったのでしょうか?