団塊世代MACCHAN(まっちゃん)の、<人生これから>だよ!

リタイア後16年、人生を日々面白がる楽しみを綴ります。健康と家族と友人を大切にする、年金生活爺さんの「残日録」です。

「男声合唱」にはまってる

2007-08-11 | 男声合唱(合唱)
浜松市が2001年7月に「市制90周年」を迎えたのを祝って、市民が「共に讃え、共に歌う」と銘打って大きな音楽イベントが開催された。

第1部が、前年催された「浜松国際ピアノコンクール」優勝者のガブリリュクさんのピアノコンサート。第2部は市民から公募された「市制90周年祝祭合唱団」が浜松交響楽団の演奏をバックに、カール・オルフ作曲の「カルミナ・ブラーナ」全曲を演奏するというもの。

私は会社の総務部に所属していて、浜松市など行政などと関わりがある仕事をしていたのと、もう浜松に骨を埋めようと決心していたこともあって、「記念になるかもしれない」程度の軽い気持ちで合唱団に応募した。イベント開催半年前の寒い日だった。音楽好きではあったが、合唱を本格的に経験したことはなかったし、カルミナ・ブラーナがどんな曲かもよく知らなかった。

本番までの半年間、毎週2~3時間の練習があったが、パート別の指導者がピアニスト付で丁寧に指導してくれたし、高価な楽譜はもちろんパート別の旋律を吹き込んだCDまで用意してくれてあった。だから、難曲だなとは感じていたが毎回楽しく練習を積めたし、市内の様々な合唱団から有志が集まっていたので、経験者のアドバイスも心強い味方になった。練習を重ねて少し自信が持てたころ、曲の中で少人数で歌う「コロピッコロ」の選抜があって、「思い出だから」と軽い気持ちで応募して試験に受かってしまった。これが後に親友になった合唱団仲間から「素人ならではの無謀な行為」と揶揄された。経験者達はなまじプライドがあるために、選抜試験に落ちたときのことを考えて応募しなかった人が多かったらしい。

本番が近づくと、浜松出身の実力指揮者である河合尚市さんの指導が始まり、浜響とのリハーサルもやった。ピアノをバックに歌うのではなく、フルオーケストラで歌うのは初めてだったので、この非日常体験にはかなり興奮した。指揮者の、時におだてを交えた巧みな指導によってオーケストラとうまくマッチし始め、各パートとのハーモニーも著しく改善していった。

いよいよ本番当日。400人に及ぶ大合唱団が、市の自慢の施設「浜松アクト大ホール」に集い、直前リハーサルを経てガブリリュクさんの演奏舞台裏に控えた。生まれて初めての大舞台だったにもかかわらず、400分の一だという気楽さからか余り緊張しなかった。いよいよ開幕だ。ティンパニーの「ドーン」で始まる、運命の女神を呪う?「O Fortuna」で長いながーい1時間の演奏が始まった。

12世紀の古いドイツ語やラテン語で書かれた歌詞は、細部の意味を理解できないままだったが、半年間何十回も何百回も練習したお陰でお経のように自動的に歌詞は口をついて出た。プロのソリストの抜群の歌唱力や、近来めきめき実力を上げている浜松交響楽団の演奏に引っ張られて、初舞台の素人にもハーモニーが重厚でリズムや音量にもメリハリがあって、上出来な演奏が進んでいることがわかった。いよいよ最後の「エピローグ」部分、美や幸福の女神を讃え、運命の女神も最後は賞賛する部分になって、歌いながら感動し続けた。涙が滲んだ。苦労が報われたとか、つらかった練習の日々が思い浮かんだとか、そんなもんじゃなく、2000人の聴衆の前で単純に大勢の仲間たちと歌っていることに感動した。初めての経験だった。

半年間の練習中に仲良くなった仲間と何回か飲み会をやったが、終わった日も当然のように焼き鳥屋の2階で打ち上げ会をやった。半年前までは余り興味もなかった合唱を、これからも続けてもいいなと、その時思った。市内にも数が多い混声合唱団を選ぶ手もあったが、より親しくなったSZ君の勧めがあったのと、大舞台に立つまでの間のお世話役の女性たちのきめ細かすぎる窮屈さを感じていたので、「浜松男声合唱団」の練習を見学に行って、入団を決めた。

(浜松男声合唱団のブログ)
我ら「浜松男声合唱団」30~80歳!!
http://hamadan-gasshou.cocolog-nifty.com/blog/ 

指揮者の和田さんの指導が、余り細部にこだわらず、むしろ「音符を歌うな」とよく指摘されることに現れているように、音符を正確に歌うより曲想をよく理解してリズムやメリハリを大切に歌うことに重きを置いておられる。歌う歌も様々なジャンルから選ばれて、退屈することはない。アカペラで歌われることも多い、男声合唱特有の重厚なハーモニーがつぼにはまった時に脳内を走る快感は、とてもお金では買えない。団塊世代を中心に30台~80歳の幅広い年齢の20人近い団員は皆気さくで、月に1回開催している飲み会に出てくる有志たちとは、いつも時間を忘れて飲み食べ語る。「人生、生きていて楽しい」を実感できる時間だ。

こうしてこの5~6年、だんだん男声合唱にはまってきている。はまり具合の具体例は、このブログの一つのジャンルとして時々紹介していきたい。
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