すちゃらかな日常 松岡美樹

サッカーとネット、音楽、社会問題をすちゃらかな視点で見ます。

【女子E-1】修正点だらけのなでしこジャパン 〜日本3-2韓国

2017-12-08 21:59:46 | サッカー戦術論
球際が弱く消極的でプレイが中途半端だ

 東アジアサッカー連盟(EAFF)E-1サッカー選手権が開幕した。なでしこジャパンが韓国女子を3-2で下したが、日本には修正が必要な課題が多く目についた。まず彼女たちは韓国と違い、球際の競り合いに弱く粘り強さがない。お嬢さんサッカーだ。特にフィジカルでは韓国に圧倒的なアドバンテージがあった。それでもなぜ日本が勝てたのか? それは「些末的」な細かなテクニックが日本にはあり、韓国にはなかったから。なでしこジャパン復権の道のりは険しい。

 なでしこジャパンは男子と同じでパスが弱く、意味のない責任逃れの「短いパス」が多い。男子に輪をかけて「小さいサッカー」になってしまっている。「ボールを大事にして」ひんぱんにバックパスするのだが、そこでも再度また敵にプレスをかけられてリスクポイントがだんだん低い位置になり自ゴールへ近づいてしまう。

 日本のサッカー選手は、積極性がなくギャンブルできない。成功確率がフィフティ・フィフティのチャレンジができない。あれが「ボールを大切にする丁寧なパスサッカー」だと考えているのなら、日本人のパスサッカー信仰の弊害は限りなく大きい。問題点のあり方が男子とまったく同じで、まるで写し絵のようだった。

 彼女たちの生命線であるらしい、そのパスのやり取りにしても、単にパスの出し手と受け手の1対1の関係でしかない。そこにからむ3人目の動きがないから、どこにパスを出すのかカンタンに読まれて局面を打開できない。男子と同様、マイボール時の運動量が圧倒的に足りない。

「パスサッカー王国」の日本ではよく、「人が動くんじゃなく、ボールを動かせ」などと言われる。だが、そもそも先に人が動かなければパスコースはできないし、パスも通らない。日本人はとんでもなく大きなカンちがいをしている。問題点のあまりの大きさに気が遠くなりそうだ。

 ただしなでしこジャパンは男子と違い、最前線の選手にいちばん力がある。FW岩渕真奈ー田中美南の2トップが持つ個の力が抜きん出ている。ここは大きなストロングポイントだ。それを軸にして問題点をひとつひとつ修正して行くしかない。

 ちなみに途中出場して点を取ったMF中島依美は力強く積極性があり、弱々しく消極的な他の選手とまったく違う。彼女はどう考えてもレギュラー確定だと思うが、なぜ途中から出てくるのだろうか? チーム作りの都合があるのだろうが……高倉監督は自分が見い出した若手を優先的に使おうと偏重しているのではないか? と言っては、うがった見方だろうか。

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