すちゃらかな日常 松岡美樹

サッカーとネット、音楽、社会問題をすちゃらかな視点で見ます。

【サッカー・東アジアカップ】日本のハイプレスは通用するか?

2015-08-08 10:46:48 | サッカー日本代表
韓国戦、前後半立ち上がりに見せた閃光のプレッシング

 引き分けに終わった韓国戦、日本は終始リトリートして自陣のスペースを消す試合運びをした。だがこの試合で2回だけ、相手にハイプレスをかけた時間帯がある。それは前半立ち上がりの7分までと、後半の立ち上がりである。

 前半立ち上がりの日本は、前から積極的にプレスをかけていた。守備に回るとインサイドハーフの柴崎が高い位置を取り、ボールに対し距離を詰めて圧力をかけた。また周囲の倉田や永井、前に出てきた山口らも連動して意欲的にプレスをかけ、韓国のボールホルダーに脅しをかけた。

 するとボールを持った韓国のディフェンスラインはビルドアップに苦しみ、バックパスや逃げの横パスをするシーンが目立った。また中央にクサビのボールを入れられた場合でも、その次の展開ができず、結局、韓国はボールを最終ラインまで戻す場面も見られた。

 一方、同点に追いついてからの後半立ち上がりにも、似たような場面があった。韓国のバックラインがボールを持つと、前へ飛び出した山口と柴崎が積極的にスイッチを入れ、ハイプレスをかけた。すると前半立ち上がりと同様、韓国は最終ラインからビルドアップできなくなり、前へのアバウトな放り込みに逃げるシーンが見られた。

中国戦はハイプレスからのショートカウンターで締めろ

 結論から先にいえば、日本のハイプレスは十分に通用する。たまたま初戦の北朝鮮戦で逆転される展開になったため、今大会でハイプレスは一種のタブーのようになってしまったが、何も恐れることはない。十二分に成立する戦術である。

 おそらく韓国戦でも終始前からプレスをかけていれば、試合展開はもっとアグレッシブなものになっていただろう。韓国は思ったより攻めの精度も高くなく、看板ほど強いチームではなかった。「たられば」をいうつもりはないが、ハイプレスを多用していれば試合は逆転していたかもしれない。

 いや別に、自陣に引いて相手にボールを持たせるやり方が悪いという意味ではない。それもひとつの戦術だし、特に相手が自分たちより強い場合は有効だ。つまり戦い方の選択の仕方の問題であり、リトリートもひとつのオプションのうちである。

 ただし「ハイプレスを使うのは避けよう」という雰囲気にチームがなっているのだとしたら、「恐れることはない」と声を大にしていいたい。むしろ次の中国戦では積極的に前からプレスをかけ、相手の攻撃の芽をつむ戦い方をしたい。

 で、前でボールを取ったら、速いショートカウンターで敵を仕留める。ツータッチ以内でテンポよくパスをつなぎ、相手に守備の体勢を立て直す時間を与えない。そのまま少ない手数でゴールを取る。

 キーワードは「初心に帰れ」である。

 ハリルが掲げる(1)ハイプレスからのショートカウンター(2)ツータッチ以内の速いパス回し(3)第3の動きを入れた連動する攻めーーというスタイルは、生真面目で労を惜しまない日本人に合う。特にロシア・ワールドカップの本大会で、ヨーロッパや南米の強豪とやるときには有効だ。

 最後の中国戦。

 日本は自信をもって、今こそ「自分たちのサッカー」をしてほしい。
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