すちゃらかな日常 松岡美樹

サッカーとネット、音楽、社会問題をすちゃらかな視点で見ます。

【キリン杯】本田や乾が可能性を示した後半に光 〜日本1-1シリア

2017-06-08 09:42:03 | サッカー日本代表
前半はひどいデキだった

 日本は前半の立ち上がりからバタバタとずっと落ち着きがなかったが、後半にメンバーをガラリと替えてから有機的に機能するようになった。前半の出来の悪さより、むしろ後半に出場した本田や乾、井手口らの輝きに期待がふくらんだ試合だった。

 スタメンはGKが川島。CBには昌子が抜擢され吉田と組んだほか、SBは右の酒井(宏)と長友。アンカーは山口蛍が務め、インサイドハーフに今野と香川。FWは左から原口、大迫、久保が並ぶ4-3-3だ。

 前半の日本はコンビネーションに乏しく、ボールのつなぎも散発的でまったく試合をコントロールできなかった。前の選手が引いてボールを受ける場面が多く、そこからビルドアップできない。逃げのショートパスばかりですぐ前が詰まる。ハリルジャパン最大の特徴である急所を突くロングフィードがほとんど見られなかった。

 だが後半の頭から久保に替え本田を、53分にはアンカーに代表初出場の井手口を入れた日本はボールがよく動くようになり、立ち上がりに失点したものの58分に長友のクロスから今野が詰めて同点に追いつく。その後は終始、日本がゲームを支配した。

本田がインサイドハーフで輝く

 選手別では、後半途中から右のインサイドハーフに入った本田は、「やはり彼は中盤の選手だな」と感じさせた。キープ力と展開力で少し引いた位置から試合をコントロールした。

 思えば彼はミラン移籍から(持ち味と正反対の)スピードを求められる右WGに押しやられ代表でも同じ右WGに。自分の武器を出せないミスマッチなポジションでずいぶん時間を浪費した感がある。案外、本田の未来は「これから」かもしれない。彼のインサイドハーフは大アリだろう。

 また緩急の切り替え鋭いドリブルで敵を翻弄した乾は、大いに可能性を感じさせた。ボールをもち、マーカーと正対して前をうかがう彼の姿には風格があり、「あれはレアル・マドリーの選手では?」などと錯覚させるに十分だった。同サイドの長友をうまく使ったコンビネーションもよく、チャンスを量産した。その長友は運動量豊富に左サイドを駆け抜けチャンスメイク。酒井(高)と比べ1日の長があった。

 悲惨なデキだった前半を抜きにすれば、後半は全体にチームの完成度はまずまず。特に途中出場した新戦力が将来に希望をつないだゲームだった。ここまできたらもうポジティブに考えるしかない。香川はケガで交代したが、代わりにインサイドハーフとしての本田を発掘できた。乾や井手口も輝きを見せた。13日のイラク戦は、ハリルの大胆な選手起用に期待したい。

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