えくぼ

ごいっしょにおしゃべりしましょう。

来年の朝日俳壇賞

2018-01-09 13:37:20 | 歌う
昨日、わたしは朝日俳壇賞の4人について書いた。2017年の入選句から選ばれた4人である。来年は選ばれることはない、今年選ばれなかった人が来年の
俳壇賞の候補者であろう。

ただし毎週欠かさず応募すること。1月8日の俳壇の4人の選者の欄から各1首わたしの好きな句を取り上げてみる。

🌟 炎にも見えて選手の白き息
飯塚 柚花

🌟海鼠らの囁きあへる海の底
中野博夫

🌟切り分けし聖菓に星の一つづつ

式部洋子

🌟年末の忘れてならぬこと忘れ
多田羅初美

金子兜太、長谷川櫂、大串章、稲畑汀子の欄からのこれらの句は私の好みの句である。が好みはしばしば変わる。ともあれ今年の俳壇賞にこだわらないこと。「終わった句」だということにして今後の投稿に励めばいい、私流のやり方ですが。

第34回☀朝日俳壇賞

2018-01-08 14:45:44 | 歌う
1月8日「成人の日」の今日☀朝日俳壇賞が発表された。2017年の入選句から、4人の選者が1句ずつ選んだ。

長谷川櫂 選

☀凩やあなたが眠るまで歌ふ
寺崎久美子

「評」俳句の約束をやわらかに乗り越える自由さ。凩になりきって詠んだ一句。

大串章選

☀大花野喜寿の少年少女行く
笠井 彰

「評」喜寿の人たちが子供に還って花野を歩いてゆく。人生楽しむべし。

稲畑汀子 選

☀やり直す人生三度絵双六
高田菲路

「評」やり直す人生という深刻さを想像し、下五字でほっとする。俳諧味が絶妙。

金子兜太 選

☀福島へもどれぬひとと雁供養
根岸浩一

「評」流木を燃す被爆地福島の人は、その雁と自分とを重ねているのだろう。

4人の句はそれぞれ魅力的だ。短い言葉で多くの思いを読者に伝える俳句の力、凄いですね、世界文化遺産になる らしいと言われている俳句。朝日俳壇から目を離せないですよ。

私を若返らせるひと ①

2018-01-07 15:13:29 | 歌う
私を若返らせるひと①岡崎裕美子


これ以上老化したくない私は、ビタミン剤だけでなく、コンドロイチンなどまで飲みはじめた。「体だけではない短歌だって」である。昨年9月末に第2歌集『わたくしが樹木であれば』を青磁社から刊行した岡崎裕美子は自己破壊願望が強そうだ。まずは彼女に頼って見よう。「うた新聞1月」の⚡今月のうたびと より

「屈葬」より七首

屈葬というを思いき汚れたる便器の横で湯に浸かりつつ

薄き布まといて戻る部屋ぬちに山手線の遠きざわめき

作為なき語を放たれて帰りたる我をしばらく包めよ地球

泥棒のごとき所作かも朝焼けのなかで我が家の鍵を外して

何をしていたのかと誰も問わずして静かに我を布団に寝かす

母に似た我を肯う夫といて母が嫌いと何回も言う

人間は体に種子を持つというならばわたしを素早く埋めよ

月に吠える犬

2018-01-06 14:40:31 | 歌う
▲ お隣の番犬ジロ一に吠えられる私はなぜか猫ばかり詠む

元旦からお隣の番犬に吠えられて今年は戌年かと気づく。

⚡月に吠える犬は、自分の影に怪しみ恐れて吠えるのである。荻原朔太郎の詩集『月に吠える』の「序」から鷲田清一が本日朝日(折々のことば)に引用している。

影に向かって吠えるのは切なくも詮なきこと。「私は私自身の陰鬱な影を、月夜の地上に釘付けにしてしまひたい。影が、永久に私のあとを追って来ないやうに」と。

▲ ランブラス通りをぶらりぶらり行く影よわれより離れておくれ

これは20年も前の私の歌である。異郷の街まで私につき纏うわたしの影、どこかで切り捨てたい、置き去りにしたい影、光のなかに立てば影は濃く鮮やかになったり、喜びと悲しみは交錯しているらしい。

現代短歌新人賞のこと

2018-01-05 15:14:48 | 歌う
「うた新聞1月号」に現代短歌新人賞のお知らせの記事がある。

さいたま市・さいたま市教育委員会主催の第18回現代短歌新人賞は🌟川口慈子歌集『世界はこの体一つ分』(角川書店)に決定した。

選考委員は中村稔、馬場あき子、篠弘、小池光、栗木京子の五氏、

川口慈子氏は「かりん」所属。「かりん賞」受賞。

表彰式は3月24日(土)埼玉大宮ソニックシティ四階「市民ホ一ル」で開催される。

💐 川口さん、おめでとうございます。