えくぼ

ごいっしょにおしゃべりしましょう。

見上げる、本の山

2016-12-18 09:40:35 | 歌う
           見上げる、本の山
                                           ▲ まだ読まぬ読みたき本は山となり私はつねに山裾にいる  松井多絵子
                                    
 今年は残り13日しかない。毎日1冊読んでも私の本の山の頂には登れない。それなのに朝刊を開けば波のように本の広告が迫って来る。「こんな寒い時は外出や旅行をしないで家で本を読みなさいよ」と本たちは私を誘う。
                   
  田部井淳子著 ♦「再発!それでもわたしは山に登る」
      
 ~がんに侵されながらも人生を前向きに楽しんだ世界初の女性エベレスト登頂者。山を愛し、夫を愛し、人を大切にした最後の日々を綴った遺稿。

  辻野晃一郎 ♦「出る杭」は伸ばせ! 週刊文春好評連載を書籍化
 
 ~なぜ日本からグーグルは生まれないのか?もう「いい人」はやめよう。大企業、外資系IT、管理職,企業経営、起業。すべてを経験した管理職だから言える。

  阿比留瑠比(産経新聞政治部)♦「総理の誕生」
 
 阿倍晋三の挫折も雌伏も栄光も全てを見続けた記者が初めて書く。出世は遅かった。初めて役職につくのは当選から7年もたった後。

  上田秀人 ♦「参勤」これぞ百万石のお国入り。道中、次々に勃発する思いがけぬ難題を
若き数馬はどう乗り切るか!?

  美輪明宏 ♦ 「心の嵐を青空に」心配することはありません。あなたには「宿命」を変えられる「運命」の力があるのです。”美輪流人生の法則”で美しい青空に!


 以上5冊は朝刊の広告のなかでの私の目に止った本である。キャッチフレーズや本のタイトルなどで本の売れ行きが異なるような気がする。書店は本の森である。あらかじめ買いたい本を決めていないと本の森をさまよってしまう。書店の店員さんに尋ね、やっと見つけてくれると買ってしまう。書店に入る前に予習しておいたほうがいいですね。、

  
    わが町の駅前通りの書店には立ち読みびとが樹木のように、
               
            12月18日 松井多絵子

私はポインセチアの花に

2016-12-17 09:28:11 | 歌う
         私はポインセチアの花に

✿「ありがとう」とあの日あの時云ったなら私はポインセチアの花に 松井多絵子
     

 12月の半ばを過ぎると花屋の店頭に現れる、1年の眠りからめざめたようにポインセチアの花が真っ赤にひらく。今日の「天声人語」は「ポインセチアの原産地メキシコに語り継がれる民話がある」から始まっている。来週の日曜日はXmasなのだと私は気づく。
                                
 「貧しい少女がクリスマスに教会へ持って行く捧げ物を買えず、思い悩む。教会の裏手で草を摘むと、魔法のように一瞬で紅色のポインセチアに変わり、少女を歓喜させる。この植物を有名にしたのは19世紀の米政治家ポインセット氏だ。外交官として赴いたメキシコで魅せられ、米国へ持ち帰った。クリスマスを祝う観葉植物として広まった」。さらに「天声人語」さまは語りつづける。
                                          
 「メキシコ生まれなので寒さに弱く、乾燥には強い。冬の冷気を避け水を与えすぎなければ春先まで花を楽しめる」そうである。赤く色づく部分は花でなく苞、花芽を保護する葉。色の流行は日本の東西で異なる。関東圏では定番の濃い赤が人気だが、関西圏では染料で青や紫に色づけしたものや輝くラメで飾ったものも好まれる」

 私はポインセチアを自分で買ったことがなく、頂いたのは何年も前のこと。「今季、栽培農家の間で黄金色の新種が話題を呼んだ。出荷数は多くないものの、ほんのりと桃色を帯びて幻想的である。これが時とともに少しずつオレンジ色に移り変わってゆくそうだ」 しだいに詩人になってゆく「天声人語」さまはどんな方なのだろうか。
                            
 「筆者の職場の隅にも一鉢が置かれた。それだけで、無機質な部屋が12月のきらめきを帯びる気がする。魔法の花である」ここで今朝の天声人語はうつくしく終わる。
          
                                  
    午後はひさしぶりに駅前の花屋さんを覗いてみようかしら。
              
           わたしはポインセチアの花になるかもしれない。


                 12月17日 松井多絵子 

「詩歌の森」の川柳

2016-12-16 09:46:45 | 歌う
           「詩歌の森」の川柳
                                           詩歌文学館館報「詩歌の森」に連載されている田口麦彦 ✿「現代川柳時評3」に次のような子供の作品が掲載されている。年1回、全国持ちまわりで行われる全日本川柳協会主催の大会は今年は第40回、愛媛県松山市で6月に開催された。一般1816名、高校生46名、中学生・小学生は17361名であった。
 
 ☀ 広げると水平線が出るタオル
               
             愛媛大学教育学部付属中1 江口雄有斗

 ☀ タオルでね自分の心みがくんだ

             愛媛 石井小3年 門脇巧真
 
 ☀ ひなあられ一つくださいおひなさま
                        
             広島 大竹小2年 柴田珠羽
                      
 
 川柳は季語が要らない、切れ字にこだわらない、口語でよい、だから小学生でもできる。むしろ幼いほうが表現がストレートで読者に伝わるかもしれない。大人になると知識が邪魔することもある。小中学生の応募が多いのは気軽に川柳を作れるからだと私は思うが。

 
  短歌俳句川柳順序が気にいらぬ 作者不詳
   
 詠んだのは川柳作家であることはわかっているが、残念ながら作者名が確認できない。どなたかご存知の方はお教えいただきたいと「詩歌の森11月」の現代川柳時評に書かれている。日本文芸家協会に登録されている詩人は330人、俳人250人、歌人200人に対して川柳作家はわずか十数人で、やっとフタケタ会員の実状である。
                          
 文藝家協会に登録されている歌人が200人もいることを私は初めて知り驚いている。歌会などで名刺をいただくが確かに歌人たちは肩書きが多い。某結社編集委員、某結社主宰、某協会会支部長 わたしは肩書きもなく名刺もない。名刺大のカードにブログ えくぼ 松井多絵子
   blog.goo.ne.jp/matsui04/ 手書き。
                 
「近年の川柳パワーはなかなかのもの。俳句も短歌も厳しく攻めたてられている。短歌は本当は何でもありの詩型」。同感です田口先生。ケータイのメールを書きながら「これは短歌だわ」と何首かにしてしまうこともあります。「若い人の短歌は軽い」と批判しながら私は更に軽い歌を作っていたり。川柳は政治経済など社会に通じていなければ、、と。詩歌の森をさまよっている作者が多く、文芸家協会には集まらないような気がしますが、。
 
              12月16日  松井多絵子         

今年の☀「手帳大賞」

2016-12-15 09:24:21 | 歌う
          今年の☀「手帳大賞」
                       
 今朝の新聞に 2016年、「高橋がうなった」受賞作が発表されている。「今年、第20回を迎えた手帳大賞の19936通の応募をありがとうございました」。

  第20回 ☀ 手帳大賞  

 ♥ 病室の夕陽より、やっぱり台所の朝陽ね  相野正(66歳 会社員 大阪府)
                                         
  (ガンの外科病棟を退院し、帰宅した翌日、台所に立った妻の一言)
 
 
    {泉麻人賞}

 ♥ ネギにアイロン当てたのがニラ  雨森茂喜(75歳 無職 大阪府)
                                  
   (娘が5~6才の頃、ニラの買い物を頼まれて、、。)
                           
    {椎名誠賞} 

 ♥ 赤ちゃんランドセルだ!! ママも一年生だね。須合里美(29歳 主婦 千葉)

   (赤ちゃんをおんぶしていた時に小学生になったばかりの息子に言われました)

    {黛まどか賞}
                                           ♥ おはなしのきれいなひとだったねえ 鍛治銘子(55歳 主婦 神奈川)
                                         
    (言葉遣いの丁寧な私の友人が帰ったあと三歳の娘がしみじみと、、。)

                                                     
  この受賞者4人の作品は本人の言葉ではない。妻や子供など身近な人の言葉である。川柳のような、俳句のような、短歌のような言葉だが定型ではない。日常生活のなかで、家族などが無意識につぶやいた言葉を聞き流さず捉えた、受賞者は言葉の達人なのだろう。

 賞金は大賞 50万円 審査員賞 各20万円、たった一言で家族旅行ができる、こんなオイシイ賞は少ないですよ。第21回 手帳大賞の締め切りの来年3月31日をお忘れなく。

               12月15日 松井多絵子

   

今年は「動」だった

2016-12-14 14:41:01 | 歌う
 
          今年は「動」だった
                                           安倍首相は、今年を表す漢字に「動」を選んだ。「色んなことが大きく動いた年ですので」京都・清水寺で発表された「今年の漢字」にならい、首相官邸で記者団に語った。菅義偉官房長官が選んだのも「動」民進党の野田佳田佳彦幹事長は「忍」共産党の小池晃書記長は「進」
                                          
           今年は「動」かしら    松井多絵子
 
      
     鏡のなかに秋が来ているベランダに微かに動くリンドウの藍              
     土曜日の動く歩道は待つ人のなき私を速やかに運ぶ

     ショーウインドウに瞳のあらぬマネキンが動くかたちに脚を浮かせて
                                               ゆうぐれの風が乗りてはすぐ降りる今日も空地に動かぬ自転車
                                   
     コンビニはいつ眠るのか真夜中もあかりのなかに動くにんげん
                                 
     しろたえのバスタオルの包む肉叢に動きやまざる心臓があり
                     
     夢の道を何も持たずにわれのみが佇む 道よ動いて欲しい
     
                              
           ~  ~  ~  ~
                                            私の今年は漠、爆買の爆ではなく 漠然の「漠」、とりとめのない一年だった。

                12月14日  松井多絵子 、