えくぼ

ごいっしょにおしゃべりしましょう。

歌とミニエッセイ

2012-11-21 20:09:56 | 歌う

         ★「朝日歌壇あれこれ②」   松井多絵子

 昨夜は朝日歌壇に投稿して散々ボツにされたことを私はボヤキました。でもボツにされたおかげでラッキーだったこともありました。

★駅前のおもちゃ屋さんが店を閉じわたしの町はえくぼを失う

 この歌は六年前に朝日歌壇へ投稿しボツになったものです。会心の作のつもりでしたがまたしてもボツ、私はこの歌が愛しくて、一字も変えずに「現代歌人協会全国大会」に応募しました。年に一回開催されるこの短歌大会は、五首まで応募できますのでそのなかに入れました。無記名の作品を約15人の選者が20首選出し、さらに3首が選ばれます。朝日新聞後援ですので、「朝日新聞社賞」が1人、大会賞が2人。その「朝日新聞社賞」に朝日歌壇でボツになった私の1首が選ばれたのです。「ほんまかいな」ですね。授賞式の檀上で大きな賞状と、羽をひろげた金箔の鶴の大きなレリーフを頂きました、宝くじに当たったみたいな秋でした。石の上にも三年、いいえ二十年も詠みながらパットしなかったわたくしは、短歌を中退?して川柳をなどと思っていた秋でした。この賞は私をやる気にさせてくれました。『えくぼ』という第1歌集を上梓したころから私の作品に光が射してきたのです。淡いあわい光ですけれど。