軽井沢からの通信ときどき3D

移住して10年目に入りました、ここでの生活と自然を写真と動画で発信しています

山野でみた鳥(10)コハクチョウ

2022-03-11 00:00:00 | 野鳥
  コハクチョウの北帰行が始まったというニュースが新聞で報じられた。紹介されていたのは、安曇野市の犀川一帯で越冬しているコハクチョウがシベリア方面に飛び立っているというもので、越冬地の上空を旋回する写真が添えられている。
 この犀川のコハクチョウはよく知られているもので、私も2度この場所に出かけて、コハクチョウやその他の水鳥を観察したことがある。
 そのうちの1回は、母がまだ健在だった時のことで、年末に年越しそばを食べにどこかに行こうということになり、そのついでに白鳥を見に行ったのであった。
 私にとって2度目のこの時は、以前にはなかったことであるが、現地で野鳥用の餌を販売しており、これを2個買い求めてひとつを母に渡しておいたところ、しばらくして見ると母は野鳥にすっかり囲まれていたことを思い出す。
 その時の写真を探し出して見ると、集まってきたのはオナガガモとヒドリガモであった。

安曇野犀川の白鳥の群れ 1/3(2012.3.3 撮影)
安曇野犀川の白鳥の群れ 2/3(2012.3.3 撮影)
安曇野犀川の白鳥の群れ 3/3(2012.3.3 撮影)

2度目に行った安曇野犀川の白鳥と水鳥の群れ 1/3 (2014.12.31 撮影)
2度目に行った安曇野犀川の白鳥と水鳥の群れ 2/3(2014.12.31 撮影)
2度目に行った安曇野犀川の白鳥と水鳥の群れ 3/3 (2014.12.31 撮影)


オナガガモなどに餌を与える母 (2014.12.31 撮影)
 
オナガガモとヒドリガモに囲まれた母(2014.12.31 撮影)
 
 今回、上記新聞のニュースを見て、久しぶりに白鳥を見に行き、写真撮影もしたいと思い、近隣地域で白鳥の来ている場所はないだろうかと妻に相談したところ、ツイッターで調べ、佐久平方面にもコハクチョウの来ている川があるという情報を探し出してくれた。

 詳細な場所は判らなかったが、佐久方面にはおおよその土地勘もあるので、取敢えず出かけてみようということで、車を走らせたところ、目的地に近くなったところで運よく妻が車窓から白鳥の姿を確認した。

 河の堤防に駐車スペースを見つけ、近づいてみると、緩やかな流れと中洲のある場所に、20羽ほどのコハクチョウとそれよりやや多い数のカルガモの群れがいた。

 日本に渡って来る白鳥にはオオハクチョウ、コハクチョウがいるとされるが、新聞記事にコハクチョウと明確に記されていた通り、安曇野で撮影した写真を見ても、今回佐久平で撮影した写真を見ても、いずれもコハクチョウであった。
 オオハクチョウの方は体が大きいので体温維持に必要なエネルギーが相対的に少なくてすみ、日本ではコハクチョウほどは南下せずに冬を越すことができるとされ、主に北海道、青森県、宮城県、新潟県に飛来し、長野県に来ることは稀なようである。

 面白いことに、いつも参考にしている「原色日本鳥類図鑑」(1973年 保育社発行)にはコハクチョウという分類項は見当たらず、ハクチョウとオオハクチョウが紹介されている。一方、他の図鑑、「日本の鳥550 水辺の鳥」(2000年 文一総合出版発行)と「野鳥観察図鑑」(2005年 成美堂出版発行) では、コハクチョウとオオハクチョウの2種が出ているので、この間に白鳥の分類法が変更されたようである。

 コハクチョウとオオハクチョウの見分け方は、その体型・大きさと嘴の色によるとされるが、体型と大きさの方は片方を単独で見ていただけでは素人には区別が難しく、撮影した写真でも同様で判別ができないので、もっぱら嘴基部の黄色部の形状と大きさによることになる。

 「原色日本鳥類図鑑」で2種の違いをみると次のようである。
 
 
オオハクチョウとコハクチョウの比較 

 以下は、今回佐久市内で撮影したコハクチョウである。先ずは幼鳥から見ていただく。体色が灰色がかっていて、嘴の一部がピンク色をしているので区別は容易である。尚、雌雄の外観の差は無いようで、幼鳥・成鳥ともに区別はつかない。

佐久平のコハクチョウの幼鳥 1/2 (2022.3.3 撮影)
佐久平のコハクチョウの幼鳥 2/2 (2022.3.3 撮影)

 続いて成鳥の様子。

佐久平のコハクチョウ 1/12 (2022.3.3 撮影)
佐久平のコハクチョウ 2/12 (2022.3.3 撮影)
佐久平のコハクチョウ 3/12 (2022.3.3 撮影)
佐久平のコハクチョウ 4/12 (2022.3.3 撮影)
佐久平のコハクチョウ 5/12 (2022.3.3 撮影)
佐久平のコハクチョウ 6/12 (2022.3.3 撮影)
佐久平のコハクチョウ 7/12 (2022.3.3 撮影)
佐久平のコハクチョウ 8/12 (2022.3.3 撮影)
佐久平のコハクチョウ 9/12 (2022.3.3 撮影)
佐久平のコハクチョウ 10/12 (2022.3.3 撮影)
佐久平のコハクチョウ 11/12 (2022.3.3 撮影)
佐久平のコハクチョウ 12/12 (2022.3.3 撮影)

 撮影を終えてそろそろ帰ろうかと思っていたところ、中の一羽が羽ばたいて大きく立派な翼を開いて見せてくれた。この地のコハクチョウにも北帰行の時が近づいているようである。

羽ばたくコハクチョウ 1/4 (2022.3.3 撮影)
羽ばたくコハクチョウ 2/4 (2022.3.3 撮影)

羽ばたくコハクチョウ 3/4 (2022.3.3 撮影)
 
羽ばたくコハクチョウ 4/4 (2022.3.3 撮影)
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« ウクライナ情勢(3/1~3/7) | トップ | ウクライナ情勢(3/8~3/14) »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

野鳥」カテゴリの最新記事