人と生まれて、自分の気持ちや意志を伝えるすべが全くないとしたら、本当の意味で生きていると言えるのでしょうか?
この「幸せのありか」という映画は実話だそうです。
子どもの頃「植物状態」と診断された少年マテウシュ。家族、特に両親からはたっぷりの愛情を持って育てられたものの、伝えたいことがあっても脳性マヒで両手両足はマヒし、口からはア~ウ~とうめき声を発するのみでしたから、誰も彼の気持ちを真剣に読み取ろうとはしてくれませんでした。
やっと彼にも伝えたいことがあることをわかってくれたのは、ある女性の専門家でした。その時彼はすでに26歳(?)になっていましたが、その日から彼の人生はやっと動き始めました。知的障害はないことがわかりました。しかし、そのため住み慣れたその施設を出ていかなければならなくなって、彼はあるとんでもない行動を起こします・・・
筋だけ伝えても、この映画の良さは全く伝わりません。もう、見ている間、ハラハラしたり、笑ったり、感動したりの連続で少しも飽きることなく最後まで流れていきます。本当に良い映画でした!
Endロールで、本物のマテウシュ君が登場して、実話であることを再確認させてくれました。
しかしまあ、マテウシュ君を演じたダヴィド・オグロドニクという俳優は素晴らしいです。演技とは思えません!あの「ギルバートグレイプ」のディカプリオを上回る素晴らしさ!そして、少年時代を演じた子役もとっても上手でした。二人の演技を見るだけでも価値ありです!
コミュニケーション不足で様々な事件が起きている日本の今を考えるとき、この映画は私たちに当たり前の大切なことを教えてくれます。映画館では、年寄りはもちろん、若者の姿もちらほら見えて嬉しかったです。
アルテリオで20日まで
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