お気楽ボランティア日記

楽しみながら、ボランティア   広がる、人の輪

見ているのが辛かった「海底の君へ」

2016年02月22日 | テレビ

 予備知識は全くないままに、NHKドラマ「海底の君へ」(2月20日)を見ました。

 冒頭から引き込まれて、そのまま見始めたのですが・・・・何とも辛くて、いじめのシーンでは思わず音を消して映像のみをチラチラと見るのがやっとでした。

 主人公の男性茂雄は29歳。中学生の時に同級生達からひどいいじめを受けました。暴力を受けたり、ミミズを食べさせられたり、海に投げ込まれたり・・・それが強いトラウマとなってその後の生活は何をやってもうまくいかず、家族も苦しみ、崩壊寸前、唯一の味方の妹の結婚話もこわれてしまいます。

 茂雄はいつも「普通」の人間になりたいともがき苦しむのですが、いじめのフラッシュバックが起こる度に食事も取れず、動けなくなります。こんなにも長く苦しむのかと、切なくなりました。カウンセリングも受けていたようですが・・・。そんなとき、中学校の同窓会の通知が届き、更に苦しみます。

 そして、自分をいじめたリーダー格の男性(弁護士)に意を決して会いに行き、いじめの理由を聞き出そうとしますが、彼にはいじめたという自覚が全くなく、あんなの遊びだったと言い、逆に、オレを脅迫するのかと開き直ります。この辺りはリアリティーがありました!

 茂雄は死を決意します。そして、自分をいじめた同級生達を巻き添えにするため爆薬を体に巻き付けて同窓会に乗り込みます。

 結末は・・・・茂雄の唯一の友に止められ、警察に逮捕され、5年の実刑を受けます。そして、5年後に出所すると妹と友とが迎えに来ているというものでした。

 俳優達の演技が真に迫っていて、途中までは内容も納得できて、すごいドラマだなあと思いました。でも、爆薬を製造する辺りから、こんな解決法しか無いのかと、ちょっと「いかにもドラマ」らしさを感じてしまいました。

 出所した茂雄が穏やかな表情をしていた理由は何も語られないままでしたし、友の弟で、やはりひどいいじめに遭って自殺未遂した子の現在も明かされないままで、ちょっと腑に落ちないところのあるドラマでした。

 茂雄は立ち直って「普通」の生活が出来るのかと、今も心配になる私です。