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平成29年度学力検査問題:難問の裏側を推し量る

2017年03月05日 | Weblog
みなさん、こんにちは。

平成29年3月2日(木)に中3生が解いた埼玉県公立入試の学力検査問題を解いてみました。
学校選択問題はよく考えられた問題でしたが、少し難解な部分もありました。

今年の学力検査問題の傾向と対策について詳しくは、
育英進学会が3/18(土)に実施する入試対策講演会で触れる予定です。
ブログでは何回かに分けて、難しかった問題をピックアップして解説してみたいと思います。

学校選択問題 大問1-(8)、標準問題 大問3-(2)

①□にあてはまる『差が2である2つの素数』を書きなさい。(4点)
②11以上の自然数について、『差が2である2つの素数』の間にある自然数は6の倍数です。
 その理由を説明しなさい。(7点)


素数は2個(1とそれ自身のみ)約数を持つ自然数です。
①は、11から50のそれぞれの自然数が素数かどうかについて、落ち着いて調べれば答えが得られます。
11以下の素数(2、3、5、7)の倍数を順に消していけば
間違えないで『差が2である2つの素数』を3組選択できます。



②の説明の例としては以下のようになります。
まず、『差が2である2つの素数』の間にある自然数は、
2の倍数でない素数の隣の自然数であることから必然的に2の倍数(偶数)になります。

次に差が2である2つの素数に挟まれて3つの自然数が並ぶとその内の一つは必ず3の倍数になります。
ところで挟んでいる2つの自然数が共に素数であり、3の倍数ではないので、
必然的に間にある自然数が3の倍数になります。

つまり、『差が2である2つの素数』の間にある自然数は、
『2に倍数』でありかつ『3の倍数』となり『6の倍数』となります。

この理由の説明については、標準問題の大問3-(2)にヒント(間の自然数は2の倍数であり、3の倍数でもあるとの記述)があります。
きっと出題者は、問題をちょっと難しくしようとして、ヒントを隠して学校選択問題を出題したのです。
言われてみると当たり前ですが、これを自分で考えつくのはかなり難しいと思います。

『差が2である2つの素数』は双子(ふたご)素数と呼ばれます。

こちらは自然数を6個ずつに区切って並べ、素数(赤)と6の倍数(青)を示したものです。
『差が2である2つの素数』がどのぐらいの頻度で登場するか一覧できると思います。

素数は無限個存在することが、古代ギリシャでユークリッドによって証明されました。
これに対し、双子素数も無限個存在すると予想されていますがこれは未証明なのです。
今も最先端の研究者が「双子素数予想」の証明に取り組んでいます

これまでフェルマーやオイラーほか、名だたる数学者が素数に魅せられ、有名な定理や公式を発見してきました。
そして素数の研究は「公開鍵暗号」などの形で、現代のインターネット経済を支える基盤になっています。

数学の問題を作った出題者は、数学の基礎であり花形でもある素数について、
中学生たちに是非とも興味を持ってもらいたいのだと思います。

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