国際結婚はたいへんだった(第2章)

ボリビア人女性との国際結婚に至るまでの道のりを記録するために立ち上げたブログです。最近は妻との日常生活を綴っています。

苦境3(幕内)

2015-11-24 | 結婚@NYまで
K君からのメールによれば、彼が結婚した1993年には「Aさんとボリビアで結婚→その婚姻届を日本大使館に提出して来日ビザを取得」という作業が短期間の内に完了したそうです。が、その後入国管理法が改正されて在留資格取得の審査が当時よりも格段に厳しくなっていることは想像に難くありません。それで彼も助言してくれている通り在外公館に直接訊くのが手っ取り早いということで、その前提となるボリビアでの結婚についてラパスの日本大使館およびサンタクルスの領事事務所に問い合わせのメールを送りました。ここを読んでもわからないことがあったので。

具体的には記載されている必要書類3種以外に必要なものがあるか、および「婚姻要件具備証明書」(いわゆる独身証明)がその日の内に発行してもらえるのかの2点です。後者については到着予定が12月31日の午後2時で、その日の内にもらえないと翌日から2日間続けて正月休みで閉館のため遅れてしまうことが気懸かりでした。

それに対してサンタクルス事務所で戸籍関係業務を担当されている方からの返事だけが届きました。(もしかしたら代表して回答をくれたということかもしれません。)それを読んで私は目が点になりました。

まずボリビア国内で婚姻登録をする場合には、事前に在京ボリビア大使館で特定の目的ビザ(Visa de Objeto Determinado)の取得が必要とのこと。(ボリビア入国後のビザ取得も可能ではあるものの、取得に少なくとも1ヶ月を要するとなれば私のケースでは非現実的ということになります。)本来ノービザOK(日本人が観光等で訪れる場合)であるにもかかわらず。入国の目的が「観光」や「知人に会う」等なら先述の通りビザは不要だし、入ってしまえば後はどうにでもなると一時は考えましたが、いろいろ質問されて、あるいは荷物を開けられて婚約者に会いに行くことがバレたら最悪入国を拒否される恐れも。そんなリスクを冒すのは賢明ではないと判断しましたし、Lindaにも取ってくれと頼まれました。申請費用1万円強(×二人分)プラス往復の交通費がかかりますが、まあこれぐらいは仕方ないでしょう。(ちなみに旅行業者などに代理申請を頼むとその2倍ぐらい取られるようです。)

が、それ以上に驚いたのは婚姻要件具備証明の件です。現地で発行してもらうとなると年末年始休みを挟むため早くて年明けの1月4日になるとのことでこれは断念。(さらに、在外公館で発行された証明書はボリビアの外務省での認証手続きが必要となるというダメ押しまで付いていました。)そうなると日本から婚姻要件具備証明を持参する以外ありませんが、「ご参考までにその手順をご説明いたします」の後を読んで絶句しました。以下、そのまま掲載します。

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まず、市町村役場に戸籍謄(抄)本及び独身証明書を申請します。それぞれをスペイン語に翻訳し、公証人役場で認証を行います(詳しくは、最寄りの公証人役場でご確認ください)⇒日本の外務省で公印確認を申請⇒在京ボリビア大使館の認証を申請⇒サンタクルスに到着後ボリビア外務省サンタクルス事務所にて認証を申請⇒ボリビア国の婚姻手続き。(必ず在京ボリビア大使館にて認証を受けてください。日本の外務省で公印確認を受けた書類は、現地日本大使館や領事事務所で重ねて証明することはできませんので、ご注意ください。)
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戸籍謄(抄)本も独身証明書も市役所でその日の内に発行してもらえます。が、日本語の書類をボリビアの役所が受理してくれる訳はないので翻訳が必要となります。ここまでは誰でもわかります。しかし、翻訳文には公文書としての効力がないため、公証人役場での「認証」が必要となるとのこと。それで長浜市内の役場に電話で問い合わせてみたら「1万円ぐらいでやってあげるよ」という返事でした。ここまではまだ許せます。しかし、それを東京の外務省に持って行って「公認確認」とやらをしてもらい、さらに在京ボリビア大使館による「認証」までもが必要だとは!

公認確認の手続きは申請の翌日から受け取りが可能になるとのことで(注)、それをボリビア大使館に持って行って、また翌日受け取るということになれば2泊しなければなりません。先の特定目的ビザの申請にも上京が必要です。Lindaにその話をしたら冗談口調で「ボリビア人と結婚するのは高くつくわね」と言われましたが、私にとっては決して笑い事ではありませんでした。費用はともかくとして、役所や公館が開いている平日でないとダメというのが厳しい。(注:後に公認確認は郵送での申請と受け取りもできると知りましたが。)

それで終わりということはなく、サンタクルスからボリビアへの入国後に現地事務所での「認証」を経てようやく婚姻手続きに入れるとのこと。一体全体いくつのステップを踏まなければならないのか?(また、引用の括弧内に書かれた「日本の外務省で公印確認を受けた書類は国内で認証を受けなければならない」云々も最初は意味がわかりませんでしたが、わかってみれば恐ろしい。これってまるで落とし穴じゃないですか!)さすがに目眩がしました。

先の在留資格を上回る強敵の出現です。しかしながら、これも金と暇さえあれば決して解決できなくはない。それゆえ手強さは幕内力士級ではあるものの平幕止まりではないか、とその時は思っていました。大甘でした。実は最後に恐るべき大ボスが待ち構えていることが判って呆然とすることになるのですが、それは後日。
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3 Comments

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わざと? (Koji KATO)
2015-11-25 00:38:18
あいや~も~フローチャートにでもしないことにはもうなにがなにやら。
一連の手続きの殺人的な煩雑さは、わざとそうしている面もあるんでしょうかね。つまり国際結婚を利用した犯罪行為を防ぐというような。
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背景 (Yasuhiro)
2015-11-25 04:09:39
明らかな犯罪目的というのは滅多になかったでしょうが、偽装結婚を利用した不法滞在・不法就労が増えていたことが入国管理法改正の背景にあったとは聞いています。
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一応訂正 (Yasuhiro)
2015-11-25 04:12:12
本文に書いた「ボリビア人と結婚すると高くつく」は事実と異なります。

http://www.zaikei.co.jp/article/20151025/275635.html

ニューヨークおよびボリビアへの渡航費および滞在費を入れても上記リンク先に出ている数字には遠く及びません。現時点では大雑把な見積もりしかできませんが、その半分程度で済んでしまうのではないでしょうか。(ちなみにLindaによると招待者は80人ほどになるそうですが、式と宴会の費用は5000USドル以内に収まる見込みです。)
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