東京都による尖閣列島買い取り問題に関して、中国各地で反日運動が活発化している。
南京事件を筆頭に、先の大戦中の旧日本軍による数々の虐殺行為にたいして、中国人民はそれらについて、忘れてはいないことに、我々日本人は思いをいたす必要がある。中国の反応は一時的なものではなく、相当に根深いものであることを忘れてはならない。
どこかの市長が「南京大虐殺はなかっこと。」とのたまい、大反発を受けたことは記憶に新しい。
その市と、南京市は姉妹都市としての提携を結んでいる。不見識と言わざるを得ない。
私の母方の祖父の弟は、朝日新聞の従軍記者として中国戦線に随行していた。南京事件の生々しい写真を、小学校のとき祖父がそっと見せてくれた。たしか小学3年生の夏休みのことだった。離れにある、土蔵の中の2階に案内され、行李の中に整然と整理された大量の写真があった。海岸、街中の道路。うず高く積まれた材木か、と思いきや、それは仔細に見ると、何と人ではないか。目を覆いたくなる光景だった。「これが事実だ。よーく覚えておきなさい。」「はい。」
それから2年後に祖父は亡くなった。
時はたち、今から20数年前、その土蔵は不審火のため、跡形もなく消失してしまった。
中国におけるに日中戦争は未だ風化していない。その事実がこの度の反日運動である。
祖父母を虐殺された人々は、その事実を決して忘れはしない。これは中国人ばかりでなく、朝鮮に関しても同様である。
そうしたことを踏まえた上で、これからの日中関係をどの様に改善していくかは、若い人たちの今後の課題である。
中国、韓国の毎夏に特集されるマスメディアにおける戦争写真。それらは、かの国々の人々の「戦争忘れまじ。」の気概の表れなのだ。
「やったほうは忘れても、やらえれたほうは忘れない。」ことに思い至って欲しい。