ダムの訪問記

全国のダムと溜池の訪問記です。
主としてダムや溜池の由来や建設の経緯、目的について記述しています。

黒田ダム(再)

2016-01-12 06:00:00 | 愛知県
2016年1月9日 黒田ダム(再)
 
黒田ダムは愛知県豊田市の矢作川水系黒田川にある発電用重力式コンクリートダムで、世界でも珍しい2段式揚水発電の上部ダムとなっています。
1933年(昭和8年)に矢作水力により黒田発電所の貯水池として建設され日本発送電を経て戦後は中部電力が事業継承しました。
オイルショックによる原油価格高騰で電力各社は原発や火力発電と連携をとりやすい揚水式発電に着目、中部電力も矢作川での揚水式発電に取り掛かり、黒田ダムをかさ上げして貯水容量を2倍にし富永ダム、矢作ダムとの2段式揚水発電の上部ダムとして再開発しました。
現在は富永ダムとの間の奥矢作第一発電所で最大32万キロワット、富永ダムと矢作ダムの間の奥矢作第二発電所で最大78万キロワットの発電を行っています。
なお黒田ダムの再開発により黒田発電所は黒田ダムを貯水池として利用できなくなったため、黒田ダムの下流に取水堰を新設して最大3100キロワットの発電を継続しています。
 
2段式揚水発電の概略図(ダム便覧より)
 
豊田市街から国道153号をひたすら東進、奥矢作第一発電所脇を右折すると黒田ダムに到着します。
ダム左岸に駐車場がありますが、堤体へは立ち入りできません。
堤体がくの字に屈曲しています。
 
取水および流入口
黒田ダムを上部ダム、富永ダムを下部ダムとして奥矢作第一発電所で揚水式発電を行っています。
 
標高870メートル、ダム湖周辺の木々には霧氷が付いています。
 
河川維持放流。
 
下流からもダムを見ることができました。
どこからかさ上げされたのかは分かりません。
 
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(追記)
黒田ダム(再)は洪水調節容量を持たない利水ダムですが、治水協定により台風等の襲来に備え 事前放流を行う予備放流容量が配分されました。

1231 黒田ダム(再)(0172)
愛知県豊田市黒田町
矢作川水系黒田川
45.2メートル
332メートル
11050千㎥/10100千㎥
中部電力(株)
1933年黒田ダム(元)竣工
1980年黒田ダム(再)竣工
◎治水協定が締結されたダム


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