ダムの訪問記

全国のダムと溜池の訪問記です。
主としてダムや溜池の由来や建設の経緯、目的について記述しています。

久末ダム

2017-09-29 15:47:37 | 福岡県
2017年9月19日 久末ダム
 
久末ダムは福岡県福津市久末の西郷川水系西郷川右支流(河川名未確認)にある上水道用水目的のアースフィルダムです。
1976年(昭和51年)に当時の宗像町・福間町・津屋崎町の3町は水道事業の広域連合である宗像水道企業団を設立、翌年より3基の上水用ダム建設に着手し、1980年(昭和55年)に久末ダムが、1983年(昭和58年)に吉田ダム多礼ダムが竣工しました。
久末ダムは西郷川にある西郷取水場から揚水した水を貯留し、東部浄水場を経て福津市の旧福間町地区に給水を行っていました。
その後、宗像地区水道企業団は一部事務組合である宗像地区事務組合に改組され、翌2008年(平成20年)からは北部福岡緊急連絡管からの受水が開始されます。
これに伴い上水道施設の統廃合が行われ東部浄水場の廃止に伴い久末ダムからの給水は停止されました。
同様に給水を停止した大井ダムは宗像市に移管され灌漑用ダムに目的変更されていますが、久末ダムについては現在も同組合管理下に置かれたままです。
有効貯水量67万立米の水を活用しない手はないかと思いますが、詳しい事情はよくわかりません。
 
久末ダム運用当時の宗像地区事務組合の上水道施設(宗像地区事務組合HPより)。 
 
現在の宗像地区事務組合の上水道施設(宗像地区事務組合HPより)
久末ダムと西郷川取水場、東部浄水場が消えています。
 
ダム周辺は『みずがめの郷』として公園化され、ダム湖を周回するウォーキング用の遊歩道や野球場などが整備されています。
県道531号に『みずがめの郷』を示す標識が現れ、これに従って左折すると公園の奥に久末ダムの見えてきます。
ダム下は公園で、遊具が並んでいます。
 
下流面。
 
左岸の余水吐導流部。
 
天端から見下ろすと
なんとダム下は野球場で一塁側を洪水吐導流部が流下します。
 
左岸の横越流式余水吐
余水吐周辺はフェンスに囲まれ立ち入り禁止です。
 
左岸から下流面
天端はダム湖を周回するウォーキングコースです。
 
67万立米の貯水池
対岸に副堤か?と思いましたが実は貯水池内を道路が横断しており、あの向こう側にも貯水池が広がっています。
 
右岸にある円形の取水塔
同時期に建設された吉田ダム・多礼ダムとよく似たデザイン。
 
上流面はコンクリートで護岸。
 
竣工記念碑
筆は合併前の福間町町長によるものです。
長崎や佐賀でよく見かける金箔仕様の記念碑。
 
2448 久末ダム(1118)
福岡県福津市久末
西郷川水系西郷川右支流
23メートル
170メートル
699千㎥/670千㎥
宗像地区事務組合
1980年


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