ダムの訪問記

全国のダムと溜池の訪問記です。
主としてダムや溜池の由来や建設の経緯、目的について記述しています。

内日第2貯水池(内日第2ダム)

2020-12-15 02:36:29 | 山口県
2020年11月23日 内日第2貯水池(内日第2ダム) 
 
内日(うつい)第2貯水池は山口県下関市内日上の綾羅木川右支流赤田代川にある下関市上下水道局が管理する上水道用水目的のアースフィルダムです。
1906年(明治39年)の内日第1貯水池と高尾浄水場の完成により全国で9番目となる近代水道事業として下関市水道事業が創設されました。 
その後も拡張事業は続き1929年(昭和4年)に既設の第1貯水池直上に建設されたのが内日第2貯水池です。
内日第2貯水池で貯水された水は日和山浄水場を経て市内に配水され、現在でも下関市水道の重要な水源の一つとなっています。
1998年(平成10年)には内日第2貯水池取水塔、溢水隧道入口をはじめ、第1貯水池取水塔、高尾浄水場などが国の登録有形文化財に登録されました。
また第2貯水池取水塔はAランク、溢水堤および隧道がCランクの近代土木遺産に選定されています。
 
内日第1貯水池から北に向かい車で5分もすると内日第2貯水に到着します。
ダム下で二つの水路が合流、右手が底樋からの水路、左手が余水吐からの導流路。
 
堤体
基部は石張りの擁壁、堤体は綺麗に刈りこまれています。
 
堤体左岸にある施設。
底樋及び管路出入口になります。
 
堤体の階段は立ち入り制限がないのでここを登り天端へ向かいます。
右岸から下流面。
 
天端からは第1貯水池と取水塔、堤体が遠望できます。
 
上流面はコンクリートで護岸、左岸に僅かに石積みが残ります
もとは第1貯水池同様石張護岸だったのか?それとも当初からコンクリート張りだったのか?
 
登録有形文化財の取水塔
第1貯水池が煉瓦造りだったのに対し、こちらはコンクリート造り。
管理橋の橋脚もコンクリート製。
 
アングルを変えて
第1貯水池の赤い屋根に比べて、こちらはシックな色調で上品な感じがします。
 
総貯水容量は第1貯水池にわずかに劣る100万立米。
 
右岸の横越流式余水吐。
市のHPでは溢水施設と記されています。
 
取水塔と余水吐。
導流部は隧道でここを流下した水は1枚目写真の左側水路へと流下します。
隧道入口、市のHPでは『溢水隧道入口』も登録有形文化財となっています。
 
ダム便覧では第2貯水池の竣工は1928年(昭和3年)となっていますが、ここでは下関市上下水道局HPに従い1929年(昭和4年)竣工とします。
 
2038 内日第2貯水池(1602)
山口県下関市内日上
綾羅木川水系赤田代川
23.6メートル
78.5メートル
1000千㎥/900千㎥
下関市上下水道局
1929年


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